中国経済に対しては著者のスタンスによって脅威論から崩壊論まで大きく論調が分かれますが、この本は「中国の経済統計は信頼できるか」「不動産バブルを止められるか」「人民元の国際化は経済にどんな影響を及ぼすのか」「共産党体制での成長は持続可能か」など、近年の中国経済が直面しているいくつかの重要な課題について、経済学の標準的な理論とそれを前提とした実証研究の結果を踏まえてできるだけニュ一卜ラルに分析しています。


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ZTE・Huaweiの排斥や関税による経済戦争は、水面下で行われていた米中の覇権争いが顕在化したものであり、それが最終局面に入ったことを示していると思っています。中国における不動産バブルは以前から指摘されており、覇権争いによる中国経済の失速がバブル崩壊の端緒になりかねません。一個人投資家としても中国経済の行く末と、世界への影響がとっても気になる今日この頃なのです。
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ZTE・Huaweiの排斥や関税による経済戦争は、水面下で行われていた米中の覇権争いが顕在化したものであり、それが最終局面に入ったことを示していると思っています。中国における不動産バブルは以前から指摘されており、覇権争いによる中国経済の失速がバブル崩壊の端緒になりかねません。一個人投資家としても中国経済の行く末と、世界への影響がとっても気になる今日この頃なのです。
この本を読むとわかること
この本の章立てとキーポイントはこんな感じです。中国経済「講義」と堅そうなタイトルですが、新書なのでさらっと読める点もGoodなのです。中国の経済統計は信頼できるか
- 経済統計と実体経済に誤差が生じる主な原因
- 李克強指数やCAP指数のような洗練された代替指標の信頼性
- 中国経済統計の捉え方
金融リスクを乗り越えられるか
- 中国の外国為替政策とその足かせ
- バブル崩壊後の日本経済や、リーマンショック後のアメリカ経済と現在の中国経済の類似性
- 中国が人民元の国際化や、BRICS開発銀行・アジアインフラ投資銀行(AlIB)などの独自の国際機関を設立する理由
- 中国が直面する経済のトリレンマ(通貨価値の安定・自由な対外資本取引・独立した金融政策の3つは両立し得ないこと)
- トリレンマに対する中国の経済政策
不動産バブルを止められるのか
- 「資本の過剰蓄積」と資産バブルの関係性
- 「資本の過剰蓄積」を助長した胡錦濤政権時代の政策
- 中国不動産バブルの原因である中央・地方間の伝統的な財政構造問題
- 商業用地・住宅地の価格高騰における制度的な要因
- 中国版「影の銀行」の一般的な形態
- 中国製造2025・一帯一路などの新戦略の背景と目的
経済格差のゆくえ
- 職務特権を活かした賄賂等の「灰色収入」の経済規模
- 中国における格差是正の伝統的なやり方
- ユーロ危機の原因と中国における格差の類似性
農民工はどこへ行くのか
- 農民と都市住民との格差を生む「戸籍制度」
- 開発経済学における「ルイスモデル」
- 中国語での都市化を示す「城市化」と「城鎮化」の違い
- 農民工の75~80%が都市戸籍を取得したくないと回答した理由
国有企業改革のゆくえ
- 国有企業と民営企業の労働分配率(≒従業員への還元率)の格差
- 中国のゾンビ企業と日本の失われた20年におけるゾンビ企業の類似性と、ゾンビ企業の救済策
- 国有企業改革と、一帯一路の関係性
共産党体制での成長は持続可能か
- 中国のイノべ一ション拠点である深セン独特のエコシステム
- 日本のスマホメーカーとは異なる中国企業の「垂直分裂」による競争・イノベーションの促進作用
- バクリビジネスとイノベーションの関係性
国際社会のなかの中国と日中経済関係
- 中国のWTO加盟による日本経済への影響
- 一帯一路に代表される資本輸出型の経済発展戦略の意味
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