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『中国経済講義-統計の信頼性から成長のゆくえまで』 ☆4

中国経済に対しては著者のスタンスによって脅威論から崩壊論まで大きく論調が分かれますが、この本は「中国の経済統計は信頼できるか」「不動産バブルを止められるか」「人民元の国際化は経済にどんな影響を及ぼすのか」「共産党体制での成長は持続可能か」など、近年の中国経済が直面しているいくつかの重要な課題について、経済学の標準的な理論とそれを前提とした実証研究の結果を踏まえてできるだけニュ一卜ラルに分析しています。

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ZTE・Huaweiの排斥や関税による経済戦争は、水面下で行われていた米中の覇権争いが顕在化したものであり、それが最終局面に入ったことを示していると思っています。中国における不動産バブルは以前から指摘されており、覇権争いによる中国経済の失速がバブル崩壊の端緒になりかねません。一個人投資家としても中国経済の行く末と、世界への影響がとっても気になる今日この頃なのです。

この本を読むとわかること

この本の章立てとキーポイントはこんな感じです。中国経済「講義」と堅そうなタイトルですが、新書なのでさらっと読める点もGoodなのです。

中国の経済統計は信頼できるか

  • 経済統計と実体経済に誤差が生じる主な原因
  • 李克強指数やCAP指数のような洗練された代替指標の信頼性
  • 中国経済統計の捉え方

金融リスクを乗り越えられるか

  • 中国の外国為替政策とその足かせ
  • バブル崩壊後の日本経済や、リーマンショック後のアメリカ経済と現在の中国経済の類似性
  • 中国が人民元の国際化や、BRICS開発銀行・アジアインフラ投資銀行(AlIB)などの独自の国際機関を設立する理由
  • 中国が直面する経済のトリレンマ(通貨価値の安定・自由な対外資本取引・独立した金融政策の3つは両立し得ないこと)
  • トリレンマに対する中国の経済政策

不動産バブルを止められるのか

  • 「資本の過剰蓄積」と資産バブルの関係性
  • 「資本の過剰蓄積」を助長した胡錦濤政権時代の政策
  • 中国不動産バブルの原因である中央・地方間の伝統的な財政構造問題
  • 商業用地・住宅地の価格高騰における制度的な要因
  • 中国版「影の銀行」の一般的な形態
  • 中国製造2025・一帯一路などの新戦略の背景と目的

経済格差のゆくえ

  • 職務特権を活かした賄賂等の「灰色収入」の経済規模
  • 中国における格差是正の伝統的なやり方
  • ユーロ危機の原因と中国における格差の類似性

農民工はどこへ行くのか

  • 農民と都市住民との格差を生む「戸籍制度」
  • 開発経済学における「ルイスモデル」
  • 中国語での都市化を示す「城市化」と「城鎮化」の違い
  • 農民工の75~80%が都市戸籍を取得したくないと回答した理由

国有企業改革のゆくえ

  • 国有企業と民営企業の労働分配率(≒従業員への還元率)の格差
  • 中国のゾンビ企業と日本の失われた20年におけるゾンビ企業の類似性と、ゾンビ企業の救済策
  • 国有企業改革と、一帯一路の関係性

共産党体制での成長は持続可能か

  • 中国のイノべ一ション拠点である深セン独特のエコシステム
  • 日本のスマホメーカーとは異なる中国企業の「垂直分裂」による競争・イノベーションの促進作用
  • バクリビジネスとイノベーションの関係性

国際社会のなかの中国と日中経済関係

  • 中国のWTO加盟による日本経済への影響
  • 一帯一路に代表される資本輸出型の経済発展戦略の意味

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ベストビュー(過去1カ月)

【番外編】ボストン旅行記(UMASS Lowell卒業式編)【Day 4:卒業式】

UMASS Lowellの卒業式@Boston。4 日目は卒業式本番です。とても賑やかでアメリカンな式典でした。ただしあいにくの雨、僕曇り男なのに。。

『九龍城探訪 魔窟で暮らす人々 - City of Darkness』 ☆4

魔窟とも言われた香港の九龍城の住人へのインタビューや、在りし日の写真集。香港の本土返還に伴い取り壊されてしまっているけど、その怪しさに妙に惹かれるのです。

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『女たちの王国 「結婚のない母系社会」中国秘境のモソ人と暮らす』☆3

雲南省と四川省の境にある「世界で最後の母系社会を営むモソ族」の社会に入り込んだ中華系シンガポール人女性の手記。結婚という概念がない・一夫一妻制でもないなど、父系社会が当たり前の我々にはイメージしづらい世界ですが、命をはぐくむ女性を中心とした母系社会のほうが生物としては正しい在り方なのかもしれません。

【番外編】AI(機械学習)やってみた。【第3回】ソムリAI ~ニューラルネットワーク編~

AI(機械学習)やってみた、第3弾です。「ニューラルネットワーク(Neural Network)」を使ったソムリAIを作ってみようと思います。”ニューラルネットワーク”、見るからにAIっぽい名前ですよね。

【番外編】AI(機械学習)やってみた。【第4回】ソムリAIの改良(正規化)

ソムリAI(ワインの評価を機械学習で当てる「ソムリエ+AI」)はもういいかなと思っていたのですが、機械学習の教科書的な本を読んでいるといくつか改良ポイントが見えてきたので、実際に適用してみようと思います。 まずは データの正規化 という手法を試してみました。結論から言うと、 あまり効果はなかった のです。。 ソムリAIの振り返り ワインの成分とランクのデータに対して、決定木・ロジスティック回帰・ニューラルネットワークの3通りのモデルを使って機械学習 を行い、モデルの精度を検証してきました。それぞれのソムリAIの性能はこんな感じでした。 どのモデルも概ね60%程度の精度 でした。 改良その1:正規化 正規化とは まずは 正規化 という手法を試してみます。標準化とも呼ばれます。正規化を行うことで 尺度の異なるデータを比べやすくする とともに、 はずれ値の影響を小さくする ことができます。正規化には 各データを平均0・標準偏差1に成形する手法 と、各データを 0から1の範囲に成形する手法 の2つがあります。 前者は標準偏差が出てくることからも分かるように、 データが正規分布に従うことを前提にした正規化手法 です。 元のデータが釣鐘型の分布になっている場合に有効 です。後者は単純に データの範囲を0から1の範囲に狭める手法 であり、 元のデータが一様分布の場合 (規則性が無くランダムなように見える場合) に有効 です。 どちらの手法でもデータの範囲を一定のレンジに狭めており、そうすることで異なる尺度のデータを比べやすくしつつ、はずれ値の影響を下げるのです。 正規化してみる 元データの分布を確認 前回同様のワインのデータを使って正規化してみます。まずはワインのデータを読み込んで表示してみます。ついでに機械学習で使うワインの成分と、ワインの評価にデータを分割しておきます。 【オリジナルのワインデータ】 UCI(University of California, Irvine:カリフォルニア大学アーバイン校) http://archive.ics.uci.edu/ml/machine-learning-databases/wine-quality/winequality-red.csv #入力データセットを読み込み i

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Malaysia Quarantine Premium Package 【番外編】Malaysia赴任記 隔離ホテル情報

Once entering Malaysia, we need to be quarantined for 14days. At the beginning of COVID-19 spread, the hotel for quarantine have been determined randomly. In these days, we can choose "premium quarantine stay package" in advance . This article is summary of premium packages which I asked each hotel. Note: Information in this article might be old. It's better to confirm the latest plan to the hotel. Note: Only Hotel Istana can be booked via its homepage so far. As the other hotels don't show their premium package plans on their homepage, you need to contact them through their reservation E-mail address or "Contact us". マレーシア入国とともに14日間ホテルで隔離されます。当初は滞在ホテルがランダムに割り振られていたようですが、より快適なプレミアムプランが追加されました。各ホテルにどんなプランがあるのか聞いてみたので、聞いた内容をまとめます。 ※情報が古い可能性があるので、念のため最新情報を各ホテルに確認したほうがよいかもしれません。

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『深層学習教科書 ディープラーニング G検定(ジェネラリスト) 公式テキスト』 ☆5

一般社団法人日本ディープラーニング協会が実施している「Deep Learning for GENERAL (通称G検定 ) 」 の公式テキスト 。 ディープラーニングについて1冊で網羅的によくまとめられているので 、 ディープラーニングの入門書としてもおすすめです 。 ついでに勢いで資格も取ってしまいました 。 AI人材への第一歩なのです 笑