5年前くらいに片山祐輔(ネットでの通称:ゆうちゃん)によって引き起こされたPC遠隔操作事件の一部始終をまとめた本。犯人が凡ミスしなければ完全犯罪になっていた可能性もあるなどサイバー犯罪特有の捜査の難しさや、ネット上での劇場型犯罪の特徴について触れられています。また、犯行の真の動機についても彼が育った時代背景を踏まえて考察しています。何を隠そう、僕も同じ年の生まれなのです。

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少し風化してしまったかもしれませんが、PC遠隔操作事件は当時ニュース・ワイドショーで連日報道されていました。世間の注目を集めたポイントは、大きく以下の5点かなと思います。
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少し風化してしまったかもしれませんが、PC遠隔操作事件は当時ニュース・ワイドショーで連日報道されていました。世間の注目を集めたポイントは、大きく以下の5点かなと思います。
- 真犯人によってPCを遠隔操作され、犯罪予告を投稿した遠隔操作の被害者が容疑者として複数人誤認逮捕され、苛烈な取り調べで嘘の自白を強要されたこと。
- 真犯人の特定が難航する中、真犯人から警察・マスコミに対し挑発とも思えるメッセージが複数回発信されたこと。
- 片山祐輔が有力な被疑者として逮捕されたものの、決定的な証拠が得られず操作が困難を極めたこと。
- 片山祐輔が酒鬼薔薇聖斗・西鉄バスジャック事件のネオ麦茶・秋葉原の無差別殺人の加藤智大と同じ1982年生まれであったこと。
- 足利事件の冤罪を勝ち取った佐藤弁護士・東電OL殺害事件でネパール人の被疑者の拘留を却下した人権派裁判官の木谷弁護士を擁する大弁護団が組成されたこと。
本全体の7割くらいが事件の全容の説明、3割が犯行に至った真の動機の考察という構成です。上に書いたように1982年生まれに重大事件の犯人が多数いることから、彼らの育った時代背景(バブル崩壊・失われた20年)を踏まえて、片山個人ではなく1980年代生まれという集団にフォーカスを当てて考察しています。僕も彼らと同じ1982年生まれでして、「細かいところは個人によって捉え方は違うだろうけど、全体感としては合っているかな」という感じでした。分厚いですが、文章が上手なので飽きずに読めます。
この本を読むとわかること
- PC遠隔操作によってもたらされた社会への影響は?
- 遠隔操作実行後に自己消去する機能を備えていた遠隔操作ウイルスはなぜ見つかったのか?
- IPアドレスから真犯人を辿れそうなものだが、捜査が難航したのはなぜか?
- サイバー犯罪ゆえの捜査・裁判の難しさとは?
- 真犯人には前科があったが、なぜ捜査線上に浮かび上がらなかったのか?
- ネット犯罪ならでは盛り上がりとは?
- 巧妙にサイバー空間での痕跡を消していた犯人が特定されるに至った凡ミスとは?
- 酒鬼薔薇聖斗・西鉄バスジャック事件のネオ麦茶・秋葉原の無差別殺人の加藤智大など、1982年生まれが重大事件を起こす背景・抱えている闇とは?
- 遠隔操作事件によって浮き彫りになった警察司法の問題点とは?
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