MBAを英語で取得したばかりの僕の隣で妻が挑戦的なタイトルの本を読んでいたので借りて読みました。決算(財務諸表)の数字たちを因数分解してその企業のビジネスモデル(収益の方程式)をあぶりだそうという内容です。よくまとまっているのです。


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本書では、出店手数料・売上手数料を撤廃する”eコマース革命”を掲げたYahoo!ショッピングを例に、規模の経済の追求や日・米・中の有力企業の比較などを行っています。異端児と呼ばれるAmazonのすごさがよく分かるのです。AWSの利益率25%だって!
伝統的決済手段であるクレジットカード・個人間送金のPaypal・スマホをレジに見立てた店舗決済のSquare・個人間の資金融通をマッチングするLending Clubの4サービスについて、テイクレート(手数料率)を見積もって比較しています。単純なテイクレート比較だけではなく、なぜテイクレートが異なるのかについてまで考察されており、”ふむふむ”となりました。
また、eコマースビジネスから脱却して”楽天経済圏”を目指す楽天のプラットフォーム戦略についても触れられています。
また、音楽配信サービスについて、個人課金型のSpotifyと企業からの広告料収入型のPandoraを比較しています。
また、のれんの償却法を切り口に、日本型の会計基準とIFRSの比較も行われています。
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内容の紹介
本書で扱っている業種は、eコマース・Fintech・広告・個人課金・携帯キャリアの5つです。これらに加えて、M&Aの舞台裏や効果を株主向けのプロキシステートメントなどから読み解こうという試みも行っています。eコマース
eコマースのビジネスモデルは基本的に手数料ビジネスです。胴元となる企業がマーケットプレイスを提供して出店者を集め、そこで行われた取引に対していくばくかの手数料をゲットするというモデルです。手数料には出店手数料・売上手数料・サイトに表示される広告料などいくつかの種類があります。本書では、出店手数料・売上手数料を撤廃する”eコマース革命”を掲げたYahoo!ショッピングを例に、規模の経済の追求や日・米・中の有力企業の比較などを行っています。異端児と呼ばれるAmazonのすごさがよく分かるのです。AWSの利益率25%だって!
Fintech
Fintechと聞くと、家計簿アプリのMoney ForwardやMoneytree・お釣り貯金のfinbeeなどを思い浮かべるかもしれませんが、本書でターゲットにしているのは”決済”ビジネスです。伝統的決済手段であるクレジットカード・個人間送金のPaypal・スマホをレジに見立てた店舗決済のSquare・個人間の資金融通をマッチングするLending Clubの4サービスについて、テイクレート(手数料率)を見積もって比較しています。単純なテイクレート比較だけではなく、なぜテイクレートが異なるのかについてまで考察されており、”ふむふむ”となりました。
また、eコマースビジネスから脱却して”楽天経済圏”を目指す楽天のプラットフォーム戦略についても触れられています。
広告
広告のビジネスモデルは、”広告を見た人の数×1人当たりから得られる売上”です。1人当たり売上はARPU (Average Revenue per User)とも呼ばれます。本書ではテレビ・Facebook・Yahoo!・LINEの4媒体における収益性を比較しています。個人課金ビジネス
プラットフォームビジネス(自社で経済圏を作ってサービスを提供)を展開する企業をGAFA(Google, Apple, Facebook, and Amazon)やFANG(Facebook, Amazon, Netflix, and Google)と呼んだり、中国の新興プラットフォーマーをBAT(Baidu, Alibaba, and Tencent)と呼んだりします。本書ではその一角をなす動画ストリーミングサービスを提供するNetflixを中心にビジネスモデルが分析されています。また、音楽配信サービスについて、個人課金型のSpotifyと企業からの広告料収入型のPandoraを比較しています。
携帯キャリア
携帯キャリアの収益は”契約者数×1人当たり売上”で決まります。1人当たり売上(ARPU)は”音声通話ARPU+データ通信ARPU+サービス利用ARPU”に因数分解できます。対象となるのはDocomo・au・softbankの3社です。ビジネスモデル・収益の源泉は3社横並びかと思いきや、因数分解してみると違いが見えてくるのが面白いのです。M&A
本書では大きく、MicrosoftによるLinkedIn買収と米Yahoo!の事業売却が扱われています。とくに、LinkedInの買収については有力IT企業同士の駆け引きと、それをうまく利用したLinkedInが赤裸々に描かれているのです。また、のれんの償却法を切り口に、日本型の会計基準とIFRSの比較も行われています。
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