日本滞在歴の長い(40年超?)アメリカ人から見た日本・中国・韓国論。偏りがあるので、ニュートラルな視座を持って読む必要があります。
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中国・韓国関係の本には、完全中立・ニュートラルなものは数少なく、たいていが中韓シンパかアンチのどちらかなのです。なかでも本書は極端にアンチ中韓に振り切った本です。なので、読む場合は偏りがあることを念頭に置いて読む必要があります。
歴史的事実などから僕なりに紐解いてみようと思います(過去の中国の王朝の名称などは割愛し、便宜的に”中国”と記載します)。
また、大化の改新以降、日本は中国(隋)をモデルに律令制度を整備していきますが、そこで大きな役割を担ったのが小野妹子から続く遣隋使でした。隋の先進的な政治制度を学んで帰国した遣隋使たちが法に基づいた律令国家の礎を作りました。今でいうアメリカビジネススクール帰りのエリートみたいなものなのでしょう。
※律とは今でいう刑法・令とは今でいう行政法・民事訴訟法に相当します。
結果として日本は朝貢を避けながら、遣隋使・遣唐使を使って中国から先進的な知識・ノウハウを仕入れて国づくりを行いました。そして、平安時代になってしばらくすると遣唐使の派遣をやめ、独自の文化を形成していきます(”白紙に戻そう遣唐使”と覚えましたね)。
直接国境を接する他の周辺国とは異なり、日本は日本海がクッションとなって、中華思想に飲み込まれず中国と程よい距離を保てたのです。ただし、これは日本から見た視点であって、中国から見れば日本は周辺国(≒属国)の1つに過ぎず、朝鮮半島の国々から見れば自分たちよりも辺境にある国(≒格下の弟分)に過ぎないと見られていたのではないかと思います。そして、これが現代の日中韓の関係に影を落としているのではないかと思っています。
また、反日運動については、抗日戦争を事実を歪曲しながら公教育の場で強く刷り込んでいることや、共産党への不満逸らしなどが理由に挙げられることが多いですが、かつて蛮族と見ていた日本に世界の中心である中国が蹂躙されたことへの屈辱感が根底にあるのかなと思います。
日中韓は隣国であるため、感情論や極論・暴論に傾きやすいですが、歴史背景などを把握したうえでなるべくニュートラルで捉えられるようにしたいものです。
冒頭にも書きましたが、本書は偏りを考慮しながら読む必要があります(読んでるとビンビン伝わってくるので、たぶんすぐわかる)が、外国人が書いたとは思えない流暢かつ含意の深い日本語で書かれているのです。
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中国・韓国関係の本には、完全中立・ニュートラルなものは数少なく、たいていが中韓シンパかアンチのどちらかなのです。なかでも本書は極端にアンチ中韓に振り切った本です。なので、読む場合は偏りがあることを念頭に置いて読む必要があります。
歴史的事実などから僕なりに紐解いてみようと思います(過去の中国の王朝の名称などは割愛し、便宜的に”中国”と記載します)。
かつての中国は超先進国だった
かつて中国は高度な文明・政治制度を持つ先進国であり、当時の日本にも大きな影響を及ぼしました。例えば、飛鳥時代に覇権を争った物部氏と蘇我氏ですが、蘇我氏が大陸からの渡来人を所掌するようになったことで最終的に物部氏は滅ぼされます。争いの原因は宗教戦争とも言われており、旧来の神道を重んじる物部氏に対し、中国から渡来人を介して伝わった仏教を担いだ蘇我氏が対立したという見方もあります。また、大化の改新以降、日本は中国(隋)をモデルに律令制度を整備していきますが、そこで大きな役割を担ったのが小野妹子から続く遣隋使でした。隋の先進的な政治制度を学んで帰国した遣隋使たちが法に基づいた律令国家の礎を作りました。今でいうアメリカビジネススクール帰りのエリートみたいなものなのでしょう。
※律とは今でいう刑法・令とは今でいう行政法・民事訴訟法に相当します。
中華思想
中国には昔から”中華思想”が根付いていると言われています。簡単に言うと、”自分たちが世界の中心で、それ以外は蛮族”という思想です。朝鮮半島や東南アジアなど、当時の中国の周辺国を一段低く見て、”中国の了承のもと統治を認めている”というスタンスをとります。そして、その見返りに金銀財宝などの見返りを求めます。これを朝貢と呼び、周辺国の領主は面と向かって戦争をしても勝てないので、定期的に中国皇帝に使者を送って貢物をしていました。国境を接する国では朝貢の関係が長らく続き、主従・兄弟のような序列が定着していきました(少なくとも中国では)。日本の地政学的特性
中国は当然日本にも朝貢を求めますが、当時の推古天皇はあくまで対等な関係を目指しました。”日出る処の天子、書を、日没する処の天子に致す。恙なきや”という有名な文書を中国皇帝に送り、隋の煬帝が激高したというのは有名ですね。国境を接した隣国であれば簡単に攻め滅ぼすことができたのでしょうが、日中の間には海が横たわっているのでおいそれと戦争を仕掛けることができなかったのです。海を越えて戦争をするには、版図をヨーロッパにまで拡大させた元のフビライハンや、初めて日本を統一した豊臣秀吉くらいの勢力がなければ難しいことを歴史は示しています(そこまでして戦争するメリットがなかったのだと思います)。結果として日本は朝貢を避けながら、遣隋使・遣唐使を使って中国から先進的な知識・ノウハウを仕入れて国づくりを行いました。そして、平安時代になってしばらくすると遣唐使の派遣をやめ、独自の文化を形成していきます(”白紙に戻そう遣唐使”と覚えましたね)。
直接国境を接する他の周辺国とは異なり、日本は日本海がクッションとなって、中華思想に飲み込まれず中国と程よい距離を保てたのです。ただし、これは日本から見た視点であって、中国から見れば日本は周辺国(≒属国)の1つに過ぎず、朝鮮半島の国々から見れば自分たちよりも辺境にある国(≒格下の弟分)に過ぎないと見られていたのではないかと思います。そして、これが現代の日中韓の関係に影を落としているのではないかと思っています。
現代の日中韓の関係
上記のような歴史的背景を踏まえると、現代の日中韓の関係が理解しやすくなるように思います。日本
昔から日本海がクッションになっていたせいで、良くも悪くも中華思想や中国・朝鮮半島の機微がよく分からない。なぜ慰安婦問題や反日運動がいまだに盛んなのかもいまいちよく分からないし、今さら領土問題が起きるのか・領有権を主張してくるのかもよく分からない。中国
中華思想からすると、アジア圏はかつての属国であり、アヘン戦争やら日清戦争やらで外国に領土を奪われてしまったという認識に立つため、領有権を主張する(”もともと(大昔は)自分のものだったんだから返してよ”ということ)。領土問題が日本とだけではなく、南沙諸島など、かつての中国王朝の周辺国との間で起きていることも概ね説明できます。もちろん、このような思想上の理由だけでなく、排他的経済水域や資源などの経済的な理由も大きいと思います。また、反日運動については、抗日戦争を事実を歪曲しながら公教育の場で強く刷り込んでいることや、共産党への不満逸らしなどが理由に挙げられることが多いですが、かつて蛮族と見ていた日本に世界の中心である中国が蹂躙されたことへの屈辱感が根底にあるのかなと思います。
韓国
上記の中国同様、中華思想では日本を辺境の蛮族であり韓国の弟分とみなすため、戦後経済成長を遂げた日本に対して不満を持っているのだろうと思います。本書では”弟分である日本に対しては太平洋戦争の賠償を執拗に求めるのに対し、主人である中国には朝鮮戦争の賠償を一切求めていない”と書かれています(朝鮮戦争において、中国は北朝鮮に組し、多くの韓国人の命が奪われた)。日中韓は隣国であるため、感情論や極論・暴論に傾きやすいですが、歴史背景などを把握したうえでなるべくニュートラルで捉えられるようにしたいものです。
冒頭にも書きましたが、本書は偏りを考慮しながら読む必要があります(読んでるとビンビン伝わってくるので、たぶんすぐわかる)が、外国人が書いたとは思えない流暢かつ含意の深い日本語で書かれているのです。
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