2017年のビジネス雑誌の多くが金融庁の森長官にフォーカスした特集を組んでいた。大方の論調は森長官が金融庁における異端児・金融機関にとってのディスラプターというものであったと記憶している。
本書はそこからさらに踏み込んで、森長官の言動の奥底にある目的を深掘りしている。森金融庁が目指すのは顧客(融資の貸出先)を最優先したリレーションシップバンキング・地域金融であり、担保・財務内容に基づく定量的な分析だけの金融機関が顧客に寄り添わないビジネスモデルからの脱却である。ビジネス誌に書かれていた”不要な金融機関は淘汰される”という地銀大合併をにおわせる発言の趣旨は、”地域金融にシフトすることのできない金融機関は淘汰される”ということなのだろうと思う。

確かに、日本にはメガバンクを頂点に地銀・ネット銀行・信金・信組・JA・労金など様々なレイヤ・セグメントで事業を行う金融機関がいる。定量的な分析だけで融資判断をするのであれば、金利の低いメガバンク・ネット銀行の競争力が高く、相対的に金利の高い地銀・信金などは不要なのであろう。しかし、昔と比べて数は減ってきているものの、今なお多くの地銀・信金が営業を継続しているということは地域金融・リレーションシップバンキングのニーズが強いという証左であると思う。一般的には事業規模の大きい地銀の方が信金より安泰と思われるのかもしれないが、地域密着度・小回りの早さを考えるとより地域に密着した信金の方が生き残っていき、どっちつかずの地銀が一番危ういのではないかと個人的には思う。
本書はそこからさらに踏み込んで、森長官の言動の奥底にある目的を深掘りしている。森金融庁が目指すのは顧客(融資の貸出先)を最優先したリレーションシップバンキング・地域金融であり、担保・財務内容に基づく定量的な分析だけの金融機関が顧客に寄り添わないビジネスモデルからの脱却である。ビジネス誌に書かれていた”不要な金融機関は淘汰される”という地銀大合併をにおわせる発言の趣旨は、”地域金融にシフトすることのできない金融機関は淘汰される”ということなのだろうと思う。

確かに、日本にはメガバンクを頂点に地銀・ネット銀行・信金・信組・JA・労金など様々なレイヤ・セグメントで事業を行う金融機関がいる。定量的な分析だけで融資判断をするのであれば、金利の低いメガバンク・ネット銀行の競争力が高く、相対的に金利の高い地銀・信金などは不要なのであろう。しかし、昔と比べて数は減ってきているものの、今なお多くの地銀・信金が営業を継続しているということは地域金融・リレーションシップバンキングのニーズが強いという証左であると思う。一般的には事業規模の大きい地銀の方が信金より安泰と思われるのかもしれないが、地域密着度・小回りの早さを考えるとより地域に密着した信金の方が生き残っていき、どっちつかずの地銀が一番危ういのではないかと個人的には思う。