ジュニアが昆虫大好きな年ごろで色々聞かれるのでお勉強中。進化の最先端は甲虫類とチョウ、ハチ、ハエだったり、チョウの翅の模様は体系だっていて芸術的に擬態するコノハチョウの翅もパターンの組み合わせで説明可能だったり、生命科学の最先端で使われるCRISPR-CAS9が昆虫学でも使われていたりと面白い話ばかりでした。ただ、かなり専門的な話も多いので門外漢は飛ばし飛ばし読むのが良さそうです。

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この本を読むとわかること
昆虫の起源と初期の進化
- 昆虫は甲殻類から分岐したという遺伝子解析結果
- クモなど多足類からの分岐という従来の学説の否定
- まず多足類が海から上陸して昆虫に分岐したのではなく、甲殻類から分岐した昆虫と多足類は別々に上陸
- 昆虫多様化の原動力となった飛翔・変態・休眠という3つの生物的機能
- 突然変異を誘発しやすい昆虫の繁殖力と世代交代サイクル
- 昆虫の「翅(はね)」の2つの種類:旧翅類と新翅類
- 不完全変態と完全変態
- 遺伝子調査で分かった陸上進出→翅の獲得→完全変態機能の獲得という昆虫の進化
- 進化の最先端は甲虫類・チョウ・ハチ・ハエ
- 短期間で一気に分岐した昆虫ビッグバン
- 遺伝子解析における塩基配列とアミノ酸配列の使い分け
分子系統樹にみる甲虫の進化様式
- 淘汰圧が一定となることで進化が停滞する「静の進化」
- 種の分化において大きな変化を伴わない「漸進進化」
- 地理的障壁による隔離などが主要因
- 淘汰圧が低いことにより、地理的に離れていても類似した形状を維持
- 環境変化に適応していく「動の進化」
- 進化論でいうところの「適応放散」
- 急激な地殻変動などに伴い短い期間で爆発的に種の分化・進化が加速
日本の地理と昆虫相の成立
- 日本列島の形成における「観音開き型離裂説」
- 衝突地点がフォッサマグナ
- 大陸の昆虫相が長い年月を経て日本固有種に進化
- 日本列島形成後も中国・韓国・台湾などから昆虫が流入し定着・進化
- 塩基配列(ハプロタイプ)の類縁関係を突然変異による塩基置換の数を指標に並べた種の「ハプロタイプネットワーク」
- 一斉放散型・安定維持型・ボトルネック型など進化の度合いに応じたユニークなネットワーク図
日本における昆虫類の分布と棲みわけ
- 構造線・断層による種の分化
- 山岳形成による種分化・集団分化
- ハビタット分化による種分化・集団分化
- 生活史のずれによる分化
- 日本列島内での氷期と間氷期の繰り返しによる分布パターンの形成
イチジクコバチにみる昆虫と植物の共進化
- 花が露出しないため自力で受粉・果実形成できないイチジク
- 漢字で書くと「無花果」であり、外から花は見れない
- イチジクに入り込むイチジクコバチがいるから受粉・果実形成が可能
- イチジクの花の内部で生まれ出ることのない雄コバチ
- イチジクコバチとイチジクの「1種対1種」関係
- 望ましい共生関係か、「進化の袋小路」か
チョウにみる進化と多様化
- 形態的・生態的・行動的特徴が多く蓄積されていることから自然史学的研究に向いているチョウ
- 系統的にはガの末端の一部分にすぎないチョウ
- 種の分化における「接合前隔離」と「接合後隔離」
- 種の分化を促す「強化」
- 分化途中の集団においては交雑種が非交雑種より淘汰されやすい
- DNA解析によって発見できる「隠蔽種」
- 様々なチョウの擬態:隠蔽擬態・化学擬態・ベイツ型擬態・ミュラー型擬態
- 複雑に見えるが体系的に部位を分類可能なチョウの羽の紋様
- 斑紋の模様の複数のパターンを一括して切り替えることのできる超遺伝子の発見
- アリと同じ化学物質を出すことでアリの巣穴で安全に暮らし、アリを食べて成虫になるシジミチョウ
- 「渡り」をするチョウが持つ太陽コンパス・磁気コンパスなどのセンサー
- 日本から香港まで2500キロを飛ぶアサギマダラ
昆虫の奇妙で多様な生活史
- 21世紀になって発見された「カカトアルキ目昆虫」
- 大分類である「目」が発見されることは異例中の異例
- 2週間で成熟して繁殖を終わらせるレア度の高い昆虫
- 小さなサイズ・退化した翅など無駄なものをそぎ落とすことで過酷なアフリカの環境に適応
- 逆立ちして水分を集める砂漠のキリアツメ
- 子育てをする珍しい昆虫
多様性に満ちた甲虫の進化
- 甲虫の多様化における不思議な現象である「平行進化」
- 甲虫の殻が固いのは水分消失を防ぐため
- もう一つの進化の形「退化」
- 環境に適応した結果、翅や目を失うなど退化した虫は進化の結果
- バッタのように後ろ脚を肥大化せずに、MS器官という「バネ」のようなものを持つことで跳躍力を得たハムシの仲間
クワガタムシの大顎・カブトムシの角の発生メカニズム
- 種を超えて共通する昆虫の「ボディプラン」
- 頭・胸・腹という3部分の共通性や脚の節の数の共通性
- 昆虫の形態多様性は共通するボディプランの各パーツを変化させることで生み出されている
- ボディプランとは逆のその種にしか見られない新奇形質
- 甲虫類の角やホタルの発光などが該当
- 見た目が大きく異なる生物でも発生過程で使われている遺伝子セットの多くが共通
- 体軸や体節のアイデンティティ形成に使われる遺伝子はヒトもハエも同じ
- 形態を形作るための遺伝子(Tool-kit遺伝子)は種を超えて共通
- 昆虫をはじめとする多くの生物で繰り返し何度も見られた体の一部が極端に巨大化した「誇張された形態」
- ゲノム情報の蓄積や、TALEN・CRISPR-CASなどのゲノム編集技術で大きく進んだ昆虫の遺伝子解析
- 生育条件がよく幼若ホルモンの分泌が盛んになることで発達するクワガタの大顎
- 性決定遺伝子によってサイズが決まるカブトムシの角とクワガタの顎
- 世界断トツの日本の甲虫飼育関係市場(100億円以上)
チョウの斑紋形成とその進化
- チョウの斑紋異常は発生学では古くから知られた「ヘテロモルフォシス(異型形成)」
- 遺伝子には「場所」と「紋様」のような親子関係がある
- 一見複雑に見えるが体系的に分類可能なチョウの紋様
- 擬態するコノハチョウの紋様もチョウの翅のグランドデザインで設計可能
- 設計図に従って転写因子によって作られる斑紋と、生育環境などの影響を受けて生じる二次斑紋
ホタルが光を放つとき
- 3色色覚のヒトよりも鮮やかに世界を認識している4色以上の色覚を持つ鳥類
- チョウが派手なのは優れた色覚を持つ鳥類向けに適応したという説
- ナトリウム・カリウムポンプの突然変異によって猛毒を持つ植物食べられ、毒を体に蓄積できるようになったオオカバマダラ
- フェロモンの世界に住む夜行性のガと、視覚の世界に住むチョウ
- 昆虫の色覚は3色だが、4~5種類の色覚を持つチョウ類
- 変温動物が冬を乗り切るために必要な「不凍タンパク質」
- 突然変異によりタンパク質が新しい機能を持つことのリスク
- 発行生物の発光メカニズムはすべて異なる
- 異なる道で進化したことを示す証拠
- 光らない甲虫が持っているタンパク質の1つのアミノ酸変異で発行特性が発現
- ホタルの発光は進化の偶然の産物である可能性
- 家屋の天敵シロアリは木材を分解できる数少ない昆虫
チョウの「味覚」と産卵行動
- チョウは前足の「化学感覚毛」で味覚を感じる
- あてずっぽうに花から花へ飛び移り前足で花びらを叩いて産卵に適した花を見つけるメスの成虫
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