「合成生物学」って名前からしてインパクトがあります。ピンポイントで遺伝子を改変でき、その形質を100%次の世代に伝えることのできる「CRISPR-CAS9を使った遺伝子ドライブ」というイノベーションから、人類が初めて合成に成功した自力で分裂できる「人工生命」まで、生命科学の最前線が分かります。陰謀論を信じる気はあまりありませんが、技術的にはウイルスの人工合成は可能のようです。

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この本を読むとわかること
生物学を「工学化」する
- コンピュータ技術における「ムーアの法則」を乗り越えるための生体分子を使った半導体チップというアイデア
- 生物学の「工学化」の一例としての規格化されたDNA部品「バイオブリック」
- チップのようにDNAを組み立てるという発想
- 生物学を「工学」するための3つの課題
- 「ありのままの生物システムを理解しよう」というのではなく、「生物システムを自分で作ることで理解する」という発想の転換
- 遺伝子をつなぎタンパク質の有無で機能をON/OFFさせる「生物回路」の実現
- 「バイオブリック」は生物学における「プログラミング言語」
人口生命体プロジェクトはこうして始まった
- 30億の塩基対で構成されるヒトゲノムのうち、タンパク質を作る遺伝子に相当する部分はわずか1~2%
- 「ジャンク」と呼ばれる残りは、遺伝子を制御する部分や意味のない繰り返し配列・外部から紛れ込んだウイルスのDNAの残骸
- ゲノムを構成するDNA(膨大なサイズ)ではなく、実際にタンパク質が作られるときに作用するmRNAに着目することでブレイクスルーを起こしたクレイグ・ベンター博士
- 大胆な発想と正しい戦略で政府の支援を受ける大規模な研究施設を突き放す圧倒的な成果を上げる
- ベンター博士による、細菌のゲノムをイチから作る「ミニマル・セル・プロジェクト」の始動
- 「ゲノムを読む」から「ゲノムを書く(合成する)」へ
究極の遺伝子編集技術、そして遺伝子ドライブ
- ゲノムの狙った場所をピンポイントで改変できる技術「CRISPRーCas9(クリスパーキャスナイン)」というイノベーション
- CRISPR-CAS9を使った「遺伝子ドライブ」
- 通常の遺伝子編集では子に形質が伝わる確率が50%であることに対し、遺伝子ドライブは100%伝わる点が大きな利点
- 遺伝子ドライブの実験はすべて実験室内で行われているが、自然界に放たれると取り返しのつかない事態になるリスク
- 従来の遺伝子改変と異なり、数匹放つだけで種全体に同じ形質を持たせることが可能
ある生物兵器開発者の回想
- 2つの異なる病原体を組み合わせてより強力な病原体を作ったソ連
- 抗生物質を使わなければ重症化するペストと、抗生物質で活性化するVEAウイルスの混合
- 秘密裏に人工ウイルスを研究していたソ連と、ソ連崩壊に伴うノウハウの流出・拡散
国防総省の研究機関は、なぜ合成生物学に投資するのか?
- 人類の役に立つはずの技術が悪用・誤用されるかもしれないという「デュアルユース・ジレンマ」
- アメリカの合成生物学研究の最も重要な資金源であるDARPA(国防高等研究計画局)
- 国防総省やCIAなどの諜報機関における非公開の「黒い予算」
- スノーデンの暴露によると年間526億ドル
その研究機関、DARPAに足を踏み入れる
- 自前の研究機関を持たず、強力な権限を持つプログラムマネジャーがテーマを実現できる組織・研究者を選抜する「DARPAモデル」
- 病原体の情報を含むDNAやRNAを人体に取り込み、免疫力で抗体・ワクチンを作るという「人体ワクチン工場」研究
- 戦場に携帯できて血液などのサンプルを30秒で分析して診断する装置の開発
科学者はなぜ軍部の金を使うのか
- DARPAの目的はあくまで軍事技術開発であり、インターネットやGPSはイノベーションの副産物に過ぎないという見方
- 研究者からすると企業の意向に従わなければならない民間企業からの資金よりも、やりたいことに専念できより潤沢な資源を持つDARPAが魅力的
- 新しい科学技術に対して専門家だけでなく一般人も含めて議論するアメリカの「パブリックエンゲージメント」
- たてつけ上は公募だが、アサインする研究者が内定していることの多いDARPAの研究プログラム
人造人間は電気羊の夢を見るか
- 2017年に立ち上がった「ヒトゲノム合成計画」
- ゲノムを「書く・合成する」ことを目的にした第二のヒトゲノム計画
- アメリカの合成生物学者の流儀は「とりあえずやってみる、倫理的課題はあと」
- シベリアの永久凍土から発掘されたマンモスのゲノムから、ゾウとマンモスのハイブリッドを生み出すプロジェクト
- 理論上は可能なすべてのウイルスに耐性を持つ大腸菌
そして人工生命は誕生した
- 「ヒトゲノム合成計画」の否定
- 必要最低限のゲノムを推測して合成するというパラダイムシフト
- 試行錯誤の結果見つかった数十個の必須遺伝子群と、安定して細胞分裂を続ける「ミニマム・セル」の合成成功
- ミニマム・セルのゲノムを構成する遺伝子の意外な内訳
- 6割は、様々なたんぱく質を作り、細胞内の代謝、ゲノムの保存などをつかさどる遺伝子群
- 残りの3割は機能が不明で、ヒト以外の多くの種にも共通して含まれる遺伝子群
- 現代生物学の知識では解明されていないことがまだ3割もあるということ
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