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『合成生物学の衝撃』☆5

「合成生物学」って名前からしてインパクトがあります。ピンポイントで遺伝子を改変でき、その形質を100%次の世代に伝えることのできる「CRISPR-CAS9を使った遺伝子ドライブ」というイノベーションから、人類が初めて合成に成功した自力で分裂できる「人工生命」まで、生命科学の最前線が分かります。陰謀論を信じる気はあまりありませんが、技術的にはウイルスの人工合成は可能のようです。

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この本を読むとわかること

生物学を「工学化」する

  • コンピュータ技術における「ムーアの法則」を乗り越えるための生体分子を使った半導体チップというアイデア
  • 生物学の「工学化」の一例としての規格化されたDNA部品「バイオブリック」
    • チップのようにDNAを組み立てるという発想
  • 生物学を「工学」するための3つの課題
  • 「ありのままの生物システムを理解しよう」というのではなく、「生物システムを自分で作ることで理解する」という発想の転換
    • 遺伝子をつなぎタンパク質の有無で機能をON/OFFさせる「生物回路」の実現
  • 「バイオブリック」は生物学における「プログラミング言語」

人口生命体プロジェクトはこうして始まった

  • 30億の塩基対で構成されるヒトゲノムのうち、タンパク質を作る遺伝子に相当する部分はわずか1~2%
    • 「ジャンク」と呼ばれる残りは、遺伝子を制御する部分や意味のない繰り返し配列・外部から紛れ込んだウイルスのDNAの残骸
  • ゲノムを構成するDNA(膨大なサイズ)ではなく、実際にタンパク質が作られるときに作用するmRNAに着目することでブレイクスルーを起こしたクレイグ・ベンター博士
    • 大胆な発想と正しい戦略で政府の支援を受ける大規模な研究施設を突き放す圧倒的な成果を上げる
  • ベンター博士による、細菌のゲノムをイチから作る「ミニマル・セル・プロジェクト」の始動
    • 「ゲノムを読む」から「ゲノムを書く(合成する)」へ

究極の遺伝子編集技術、そして遺伝子ドライブ

  • ゲノムの狙った場所をピンポイントで改変できる技術「CRISPRーCas9(クリスパーキャスナイン)」というイノベーション
  • CRISPR-CAS9を使った「遺伝子ドライブ」
    • 通常の遺伝子編集では子に形質が伝わる確率が50%であることに対し、遺伝子ドライブは100%伝わる点が大きな利点
  • 遺伝子ドライブの実験はすべて実験室内で行われているが、自然界に放たれると取り返しのつかない事態になるリスク
    • 従来の遺伝子改変と異なり、数匹放つだけで種全体に同じ形質を持たせることが可能

ある生物兵器開発者の回想

  • 2つの異なる病原体を組み合わせてより強力な病原体を作ったソ連
    • 抗生物質を使わなければ重症化するペストと、抗生物質で活性化するVEAウイルスの混合
    • 秘密裏に人工ウイルスを研究していたソ連と、ソ連崩壊に伴うノウハウの流出・拡散

国防総省の研究機関は、なぜ合成生物学に投資するのか?

  • 人類の役に立つはずの技術が悪用・誤用されるかもしれないという「デュアルユース・ジレンマ」
  • アメリカの合成生物学研究の最も重要な資金源であるDARPA(国防高等研究計画局)
  • 国防総省やCIAなどの諜報機関における非公開の「黒い予算」
    • スノーデンの暴露によると年間526億ドル

その研究機関、DARPAに足を踏み入れる

  • 自前の研究機関を持たず、強力な権限を持つプログラムマネジャーがテーマを実現できる組織・研究者を選抜する「DARPAモデル」
  • 病原体の情報を含むDNAやRNAを人体に取り込み、免疫力で抗体・ワクチンを作るという「人体ワクチン工場」研究
  • 戦場に携帯できて血液などのサンプルを30秒で分析して診断する装置の開発

科学者はなぜ軍部の金を使うのか

  • DARPAの目的はあくまで軍事技術開発であり、インターネットやGPSはイノベーションの副産物に過ぎないという見方
  • 研究者からすると企業の意向に従わなければならない民間企業からの資金よりも、やりたいことに専念できより潤沢な資源を持つDARPAが魅力的
  • 新しい科学技術に対して専門家だけでなく一般人も含めて議論するアメリカの「パブリックエンゲージメント」
  • たてつけ上は公募だが、アサインする研究者が内定していることの多いDARPAの研究プログラム

人造人間は電気羊の夢を見るか

  • 2017年に立ち上がった「ヒトゲノム合成計画」
    • ゲノムを「書く・合成する」ことを目的にした第二のヒトゲノム計画
  • アメリカの合成生物学者の流儀は「とりあえずやってみる、倫理的課題はあと」
  • シベリアの永久凍土から発掘されたマンモスのゲノムから、ゾウとマンモスのハイブリッドを生み出すプロジェクト
  • 理論上は可能なすべてのウイルスに耐性を持つ大腸菌

そして人工生命は誕生した

  • 「ヒトゲノム合成計画」の否定
    • 必要最低限のゲノムを推測して合成するというパラダイムシフト
  • 試行錯誤の結果見つかった数十個の必須遺伝子群と、安定して細胞分裂を続ける「ミニマム・セル」の合成成功
  • ミニマム・セルのゲノムを構成する遺伝子の意外な内訳
    • 6割は、様々なたんぱく質を作り、細胞内の代謝、ゲノムの保存などをつかさどる遺伝子群
    • 残りの3割は機能が不明で、ヒト以外の多くの種にも共通して含まれる遺伝子群
    • 現代生物学の知識では解明されていないことがまだ3割もあるということ

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ベストビュー(過去1カ月)

『九龍城探訪 魔窟で暮らす人々 - City of Darkness』 ☆4

魔窟とも言われた香港の九龍城の住人へのインタビューや、在りし日の写真集。香港の本土返還に伴い取り壊されてしまっているけど、その怪しさに妙に惹かれるのです。

【番外編】ボストン旅行記(UMASS Lowell卒業式編)【Day 4:卒業式】

UMASS Lowellの卒業式@Boston。4 日目は卒業式本番です。とても賑やかでアメリカンな式典でした。ただしあいにくの雨、僕曇り男なのに。。

【番外編】ボストン旅行記(UMASS Lowell卒業式編) 【Day2:晩餐会】

UMASS Lowellの卒業式@Boston。 2日目は午前中はボストン観光、夕方から Hooding ceremonyという卒業生(大学院生)向けの晩餐会です。卒業式で被るHoodをもらいました。

【番外編】ボストン旅行記(UMASS Lowell卒業式編) 【Day0:渡米前にやっておくこと】

UMASS Lowellの卒業式@Bostonについて、計画の立て方やら行く前にやっておくことやらをまとめておきます。

【番外編】ボストン旅行記(UMASS Lowell卒業式編) 【Day5:帰国】

UMASS Lowellの卒業式@Boston。5 日目にして帰国なのです。

【番外編】ボストン旅行記(UMASS Lowell卒業式編) 【Day1:ボストンへ】

UMASS Lowellの卒業式@Boston。 1日目は移動だけで終わりました。

【番外編】ボストン旅行記(UMASS Lowell卒業式編) 【Day3:終日観光】

UMASS Lowellの卒業式@Boston。3 日目は終日フリーなので、ゆっくりボストンを観光しました。

『女たちの王国 「結婚のない母系社会」中国秘境のモソ人と暮らす』☆3

雲南省と四川省の境にある「世界で最後の母系社会を営むモソ族」の社会に入り込んだ中華系シンガポール人女性の手記。結婚という概念がない・一夫一妻制でもないなど、父系社会が当たり前の我々にはイメージしづらい世界ですが、命をはぐくむ女性を中心とした母系社会のほうが生物としては正しい在り方なのかもしれません。

【番外編】AI(機械学習)やってみた。【第3回】ソムリAI ~ニューラルネットワーク編~

AI(機械学習)やってみた、第3弾です。「ニューラルネットワーク(Neural Network)」を使ったソムリAIを作ってみようと思います。”ニューラルネットワーク”、見るからにAIっぽい名前ですよね。

『深層学習教科書 ディープラーニング G検定(ジェネラリスト) 公式テキスト』 ☆5

一般社団法人日本ディープラーニング協会が実施している「Deep Learning for GENERAL (通称G検定 ) 」 の公式テキスト 。 ディープラーニングについて1冊で網羅的によくまとめられているので 、 ディープラーニングの入門書としてもおすすめです 。 ついでに勢いで資格も取ってしまいました 。 AI人材への第一歩なのです 笑

ベストビュー(全期間)

Malaysia Quarantine Premium Package 【番外編】Malaysia赴任記 隔離ホテル情報

Once entering Malaysia, we need to be quarantined for 14days. At the beginning of COVID-19 spread, the hotel for quarantine have been determined randomly. In these days, we can choose "premium quarantine stay package" in advance . This article is summary of premium packages which I asked each hotel. Note: Information in this article might be old. It's better to confirm the latest plan to the hotel. Note: Only Hotel Istana can be booked via its homepage so far. As the other hotels don't show their premium package plans on their homepage, you need to contact them through their reservation E-mail address or "Contact us". マレーシア入国とともに14日間ホテルで隔離されます。当初は滞在ホテルがランダムに割り振られていたようですが、より快適なプレミアムプランが追加されました。各ホテルにどんなプランがあるのか聞いてみたので、聞いた内容をまとめます。 ※情報が古い可能性があるので、念のため最新情報を各ホテルに確認したほうがよいかもしれません。

【番外編】AI(機械学習)やってみた。【第1回】ソムリAI ~決定木編~

最近ブームのAI(機械学習)に手を出しました。まずは、決定木(Decision Tree)というモデルを使って「ソムリAI(ワインソムリエAI)」を作ってみようと思います。

【番外編】ボストン旅行記(UMASS Lowell卒業式編) 【Day0:渡米前にやっておくこと】

UMASS Lowellの卒業式@Bostonについて、計画の立て方やら行く前にやっておくことやらをまとめておきます。

【番外編】AI(機械学習)やってみた。【第6回】乳がん診断AI その1

ソムリAI(ワインソムリエAI)で使った手法で乳がん診断AIを作ってみます。まずは決定木とニューラルネットワークの2つのモデルを試してみます。かなり高性能なモデルができました。名医誕生かもしれません 笑

【番外編】AI(機械学習)やってみた。【第3回】ソムリAI ~ニューラルネットワーク編~

AI(機械学習)やってみた、第3弾です。「ニューラルネットワーク(Neural Network)」を使ったソムリAIを作ってみようと思います。”ニューラルネットワーク”、見るからにAIっぽい名前ですよね。

【番外編】ボストン旅行記(UMASS Lowell卒業式編) 【Day5:帰国】

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【番外編】ボストン旅行記(UMASS Lowell卒業式編)【Day 4:卒業式】

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【番外編】AI(機械学習)やってみた。【第2回】ソムリAI ~ロジスティック回帰編~

AI(機械学習)やってみた、第2弾です。前回は決定木(Decision Tree)を使ったソムリAI(ワインソムリエAI)を作りました。今回は「ロジスティック回帰(Logistic Regression)」というモデルを使ったソムリAIを作ってみようと思います。

【番外編】ボストン旅行記(UMASS Lowell卒業式編) 【Day2:晩餐会】

UMASS Lowellの卒業式@Boston。 2日目は午前中はボストン観光、夕方から Hooding ceremonyという卒業生(大学院生)向けの晩餐会です。卒業式で被るHoodをもらいました。

『深層学習教科書 ディープラーニング G検定(ジェネラリスト) 公式テキスト』 ☆5

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