太平洋戦争においてフィリピン防衛や大本営の情報参謀を務め、戦後は自衛隊の情報室長として情報戦の第一線で活躍した情報将校本人による回想録。日本軍の敗因分析については多くの本が出ていますが、情報将校本人の回顧録というのは史料としても価値が高いと思うのです。


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この本を読むとわかること
陸軍大学校の情報教育
- 戦略ではなく戦術を重視したカリキュラムと情報教育の軽視
- 「支那軍は弱い」という日本軍の固定観念と驕り
- 陸大卒軍人のエリート意識と勘違い
大本営情報部時代
- 米軍が重視した情報戦と奇襲による暗号奪取作戦
- 戦争中盤でようやく始まった米軍戦法の研究
- 盗まれ解読された海軍暗号と狙って撃ち落された山本五十六搭乗機
- 軍の主力を航空機としたアメリカと歩兵を重視した日本陸軍
- 前近代的な海軍の大艦巨砲主義と陸軍の奉天会戦時代からの歩兵主義
- 初期は優秀だったが上昇力・到達高度の違いで米軍機に敗れたゼロ戦
- 太平洋諸島の正確な地図を持たなかった日本軍
- アメリカ国内の日本スパイ網を破壊するためにアメリカが行った日系人の強制収容
- 戦争中一番穴のあいた米国本土の情報網
- 艦隊戦と異なり戦火が確認しづらい航空戦
- 帰還機からの主観的な戦果報告が日本軍過剰な戦果喧伝の火付け役
- 大陸での二流軍隊には通じたが米軍には通じなかった日本軍の精神第一主義
- 太平洋諸島を陸続きの「面」と認識した日本軍と「点」と認識した米軍
- 休まず戦い続ける日本軍兵士と複数の師団が数か月ごとのローテーションで戦う米軍
- 戦術ではひっくり返せない「戦略の失敗」
- 常に1か月半分の補給物資を抱えて移動した米軍と現地調達主義の日本軍
- 補給が後手に回り米軍が恐れた虎の子の潜水艦を補給に回す愚行
- 第一次大戦終結直後から対日本戦の準備をしていたアメリカ
山下奉文フィリピン守備軍の情報参謀に
- 判断には感情を入れないという「作戦と情報の分離」
- 常に戦果確認機を飛ばして写真撮影をした米軍と、そうしなかった日本軍
- 国運を左右した情報軽視
- 特殊性と普遍性を区別する「哲理」と相手の立場になる「冷静さ」
- 情報将校最大の難事は集まった情報をもとに「言い切ること」
- 相手の絶対条件・有利条件・妨害条件・可能条件の推測
- 現地スパイを通じて米軍に筒抜けだったフィリピン守備隊の動静
再び大本営情報部へ
- 強固な暗号だが人力で運用していた日本軍と機械式暗号気を使っていた米軍
- 鉄器を早期に発見するための富士山のレーダー波を逆に利用して日本を目指した米軍機
- 謎のコールサイン機の出現
- 原爆搭載機を見抜けなかった無念
- 情報将校だったルバング島の小野田少尉
戦後の自衛隊と情報
- 自衛隊でも軽視されていた情報収集・諜報
- 政治家の顔ばかり窺う自衛隊上層部
- 責任を回避し決断できない幹部たち
- 情報武官としてドイツに赴任
- 信頼関係構築の基本は時間を守ること
- キューバ危機の動向を探るための「すき焼き作戦」
- 中世の騎士に起源を持つ軍隊の「敬礼」
情報こそ最高の「戦力」
- 米軍が分析した日本軍5つの敗因
- 国力判断の誤り
- 制空権の喪失
- 組織の不統一
- 情報軽視と作戦優先
- 精神主義の誇張
- 地上・空中だけでなく、海中・宇宙にまで広がった現代の情報戦
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