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『エンジニアリング組織論への招待』☆4

たまには本業に関連する本を。ITプロジェクトにおいて必ず直面する「不確実性」のマネジメントと生産性の高い自律したチームの作り方。「技術的負債(ブラックボックス化したシステム)」の取り扱い方についても紹介されています(1年半これを生業にしていましたが、当時の僕の考えは間違っていなかったようです)。

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この本を読むとわかること

思考のリファクタリング

  • エンジニアリングの本質は「不確実性の削減」
  • ウォーターフォールに代表される「設計主義的な開発プロセス」とアジャイルに代表される「経験主義的な開発プロセス」
  • 不確実性の高いものから優先的に取り組むことで不確実性を下げるのが経験主義
    • 問題解決よりも課題定義・仮説思考を重視
  • 対人関係でコントロールできるものとできないもの
  • 全体の関係性をとらえる「システム思考」
  • 「情報の透明性」とは情報公開ではなく、伝えるべき情報が組織内に双方向で正しく伝えられ「情報の不確実性」が低減していること

メンタリングの技術

  • メンタリングとは対話によって思考の範囲を限定する枠を外し、その人自身で問題解決できるよう促すこと
    • コンフォートゾーンから一歩踏み出させること
  • メンタリングの特徴は「他者説得」ではなく「自己説得」
    • 自分で考えることで応用力を醸成
    • 答えを教えるのではなく質問することで思考の盲点を見つけ自己解決に導く
    • 「悩む」と「考える」の区別
  • コンフォートゾーンへとどまろうとする「思考停止」を打破する質問方法
  • メンティの自己開示を促し、フィードバックを受け入れられるような関係を築くことで開く「未知の窓」

アジャイルなチームの原理

  • アジャイルはチームをメンタリングする技術
  • 市場環境やニーズの多様化に伴う「プロジェクト型開発」から「プロダクト型開発」へのシフト
    • 計画重視のプロジェクト型開発とマーケット重視のプロダクト型開発
  • 組織の「限定合理性」と「情報の非対称性」の解消を試みるアプローチがアジャイルな方法論
  • アジャイルに関する5つの誤解
    • アジャイル開発は決まったプロセスである
    • アジャイル開発では設計をしない
    • アジャイル開発は優秀なメンバーが必要
    • アジャイル開発では中長期計画がない
    • アジャイル開発は開発者に決定権がある手法だ
  • ルールや契約によって役割を分断する前にコミュニケーションや対話を重視することを宣言した「アジャイルソフトウェア開発宣言」
  • レスポンスタイムを最適化するプロジェクト型チームと、スループットを最適化するプロダクト型チーム

学習するチームと不確実性マネジメント

  • ソフトウェア開発における3大不確実性
    • 方法不確実性:スケジュール予測と見積もりの手法
    • 目的不確実性:要求と仮説検証の手法
    • 通信不確実性:振り返りの手法
  • スケジュール不安を見える化するための「スケジュール予測が収束するか」というマネジメント
    • 小さいスプリントの繰り返しによる精度・再現性の向上
    • 不安量の大きいタスクの解体
    • 各スプリントごとの生産性を測定し平均と偏差を測定することで見積もり精度を向上
  • 何を作るかというマーケット不安を解消するためのリリース順序の優先順位付け
    • 「リーンキャンバス」による仮説構築

技術組織の力学とアーキテクチャ

  • 人数を増やしても線形に生産性が伸びるわけではないソフトウェア開発
  • 作られるシステムの構造はシステムを作る組織の構造そっくりになるという「コンウェイの法則」
  • 権限移譲によって向上するチームの情報処理能力・自己判断力
  • 優れた開発チームの組織設計と権限委譲
  • 時を経たシステムにおける不可解な開発速度の低下という「技術的負債」
    • 技術的負債の測り方
  • アーキテクチャのリファクタリング(作り直し)を判断するための技術的負債の「利子率」
  • 技術的負債にメスを入れるために明らかにすべき2つの情報非対称性
  • 複数の要件が1つのソフトウェアに入り込んだ「モノリシック(一枚岩)」なアーキテクチャと、シンプルを追求したマイクロサービスアーキテクチャ
  • システムの劣化を防ぐための「腐敗防止層」という中間のクッション


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ベストビュー(過去1カ月)

『動物たちのすごいワザを物理で解く』☆4

生物×物理という着眼点の面白い本。なぜヤモリは天井にへばりつけるのかや、百発百中のテッポウウオの視界、温かい生き物の血を吸う蚊の驚きの排熱メカニズムなど、生き物の不思議を物理の視点で解説してくれます。子どもにドヤ顔で話せるようになると思います。

【番外編】ボストン旅行記(UMASS Lowell卒業式編) 【Day2:晩餐会】

UMASS Lowellの卒業式@Boston。 2日目は午前中はボストン観光、夕方から Hooding ceremonyという卒業生(大学院生)向けの晩餐会です。卒業式で被るHoodをもらいました。

【番外編】ボストン旅行記(UMASS Lowell卒業式編)【Day 4:卒業式】

UMASS Lowellの卒業式@Boston。4 日目は卒業式本番です。とても賑やかでアメリカンな式典でした。ただしあいにくの雨、僕曇り男なのに。。

【番外編】ボストン旅行記(UMASS Lowell卒業式編) 【Day5:帰国】

UMASS Lowellの卒業式@Boston。5 日目にして帰国なのです。

【番外編】ボストン旅行記(UMASS Lowell卒業式編) 【Day3:終日観光】

UMASS Lowellの卒業式@Boston。3 日目は終日フリーなので、ゆっくりボストンを観光しました。

【番外編】ボストン旅行記(UMASS Lowell卒業式編) 【Day0:渡米前にやっておくこと】

UMASS Lowellの卒業式@Bostonについて、計画の立て方やら行く前にやっておくことやらをまとめておきます。

【番外編】ボストン旅行記(UMASS Lowell卒業式編) 【Day1:ボストンへ】

UMASS Lowellの卒業式@Boston。 1日目は移動だけで終わりました。

【番外編】AI(機械学習)やってみた。【第3回】ソムリAI ~ニューラルネットワーク編~

AI(機械学習)やってみた、第3弾です。「ニューラルネットワーク(Neural Network)」を使ったソムリAIを作ってみようと思います。”ニューラルネットワーク”、見るからにAIっぽい名前ですよね。

【番外編】AI(機械学習)やってみた。【第4回】ソムリAIの改良(正規化)

ソムリAI(ワインの評価を機械学習で当てる「ソムリエ+AI」)はもういいかなと思っていたのですが、機械学習の教科書的な本を読んでいるといくつか改良ポイントが見えてきたので、実際に適用してみようと思います。 まずは データの正規化 という手法を試してみました。結論から言うと、 あまり効果はなかった のです。。 ソムリAIの振り返り ワインの成分とランクのデータに対して、決定木・ロジスティック回帰・ニューラルネットワークの3通りのモデルを使って機械学習 を行い、モデルの精度を検証してきました。それぞれのソムリAIの性能はこんな感じでした。 どのモデルも概ね60%程度の精度 でした。 改良その1:正規化 正規化とは まずは 正規化 という手法を試してみます。標準化とも呼ばれます。正規化を行うことで 尺度の異なるデータを比べやすくする とともに、 はずれ値の影響を小さくする ことができます。正規化には 各データを平均0・標準偏差1に成形する手法 と、各データを 0から1の範囲に成形する手法 の2つがあります。 前者は標準偏差が出てくることからも分かるように、 データが正規分布に従うことを前提にした正規化手法 です。 元のデータが釣鐘型の分布になっている場合に有効 です。後者は単純に データの範囲を0から1の範囲に狭める手法 であり、 元のデータが一様分布の場合 (規則性が無くランダムなように見える場合) に有効 です。 どちらの手法でもデータの範囲を一定のレンジに狭めており、そうすることで異なる尺度のデータを比べやすくしつつ、はずれ値の影響を下げるのです。 正規化してみる 元データの分布を確認 前回同様のワインのデータを使って正規化してみます。まずはワインのデータを読み込んで表示してみます。ついでに機械学習で使うワインの成分と、ワインの評価にデータを分割しておきます。 【オリジナルのワインデータ】 UCI(University of California, Irvine:カリフォルニア大学アーバイン校) http://archive.ics.uci.edu/ml/machine-learning-databases/wine-quality/winequality-red.csv #入力データセットを読み込み i...

【番外編】AI(機械学習)やってみた。【第6回】乳がん診断AI その1

ソムリAI(ワインソムリエAI)で使った手法で乳がん診断AIを作ってみます。まずは決定木とニューラルネットワークの2つのモデルを試してみます。かなり高性能なモデルができました。名医誕生かもしれません 笑

ベストビュー(全期間)

Malaysia Quarantine Premium Package 【番外編】Malaysia赴任記 隔離ホテル情報

Once entering Malaysia, we need to be quarantined for 14days. At the beginning of COVID-19 spread, the hotel for quarantine have been determined randomly. In these days, we can choose "premium quarantine stay package" in advance . This article is summary of premium packages which I asked each hotel. Note: Information in this article might be old. It's better to confirm the latest plan to the hotel. Note: Only Hotel Istana can be booked via its homepage so far. As the other hotels don't show their premium package plans on their homepage, you need to contact them through their reservation E-mail address or "Contact us". マレーシア入国とともに14日間ホテルで隔離されます。当初は滞在ホテルがランダムに割り振られていたようですが、より快適なプレミアムプランが追加されました。各ホテルにどんなプランがあるのか聞いてみたので、聞いた内容をまとめます。 ※情報が古い可能性があるので、念のため最新情報を各ホテルに確認したほうがよいかもしれません。

【番外編】AI(機械学習)やってみた。【第1回】ソムリAI ~決定木編~

最近ブームのAI(機械学習)に手を出しました。まずは、決定木(Decision Tree)というモデルを使って「ソムリAI(ワインソムリエAI)」を作ってみようと思います。

【番外編】ボストン旅行記(UMASS Lowell卒業式編) 【Day0:渡米前にやっておくこと】

UMASS Lowellの卒業式@Bostonについて、計画の立て方やら行く前にやっておくことやらをまとめておきます。

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【番外編】ボストン旅行記(UMASS Lowell卒業式編) 【Day5:帰国】

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【番外編】ボストン旅行記(UMASS Lowell卒業式編)【Day 4:卒業式】

UMASS Lowellの卒業式@Boston。4 日目は卒業式本番です。とても賑やかでアメリカンな式典でした。ただしあいにくの雨、僕曇り男なのに。。

【番外編】ボストン旅行記(UMASS Lowell卒業式編) 【Day2:晩餐会】

UMASS Lowellの卒業式@Boston。 2日目は午前中はボストン観光、夕方から Hooding ceremonyという卒業生(大学院生)向けの晩餐会です。卒業式で被るHoodをもらいました。

【番外編】AI(機械学習)やってみた。【第2回】ソムリAI ~ロジスティック回帰編~

AI(機械学習)やってみた、第2弾です。前回は決定木(Decision Tree)を使ったソムリAI(ワインソムリエAI)を作りました。今回は「ロジスティック回帰(Logistic Regression)」というモデルを使ったソムリAIを作ってみようと思います。

【番外編】ボストン旅行記(UMASS Lowell卒業式編) 【Day1:ボストンへ】

UMASS Lowellの卒業式@Boston。 1日目は移動だけで終わりました。