1930年代に書かれた生物学の古典的名著。様々な実験を通して昆虫や鳥類・哺乳類が世界をどのように知覚しているのかが解説されています。「ハエの見ている世界」や「敏捷な捕食動物が体感している時間間隔など」など「へぇー」が多いのです。文庫なのでサクッと読めるのもGoodなのです。


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この本を読むとわかること
環境と環世界
- 機械を調べるように生物の器官を研究する生理学者と、独自の世界を持つ生き物として生物を研究する生物学者
- 生き物は機械なのか、機械操作係なのかという疑問
- 知覚器官で情報を受容し、作用器官でアクションするという「機能環」の考え方
- 「生きた主体なしに時間も空間もあり得ない」という環世界説
環世界の諸空間
- 作用空間:三次元空間
- 三次元の傾きを検知できる生物の三半規管
- コンパスの役割を担うミツバチの触覚
- 触空間:触っている/触られている「場所」の知覚
- 視空間:生物の「眼」の構造によって見える世界の見え方
- ヒト・ハエ・軟体動物それぞれの世界の見え方
- 虫が蜘蛛の巣に絡め捕られる視覚的理由
最遠平面
- 生物の視覚が知覚できる最大距離が最遠平面
- 生物を中心としたシャボン玉のようなイメージ
- 接写レンズのようなハエの眼
- 非常に小さい最遠平面とハエの飛行行動との関連性
知覚時間
- 生き物の持つ環世界によって異なる生き物それぞれの時間感覚
- ハイスピードカメラのような視覚を持つ捕食動物とスローモーションの世界で生きる軟体動物
- 生物の時間感覚を決める視覚機能の性能
- カタツムリの「のろまではない」時間感覚
単純な環世界
- 異なる感覚器の情報を統合できる生物と、できない生物の大きな差
- 感覚を統合できるダニの環世界
- 感覚を統合できず刺激に対してとりあえずトゲを動かすウニの環世界
知覚標識としての形と運動
- 止まっている昆虫は知覚できない鳥の目
- 「死んだふり」をする昆虫の習性
- 天敵であるヒトデと同じ動き・速度に無条件で反応するイタヤガイ
- 形で咲いた花・つぼみを見分けるミツバチ
目的と設計
- 本能的な知覚に行動を左右される昆虫やニワトリ
知覚像と作用像
- その生物がとりうる行動の幅が広いほど多数の対象物を識別可能
- ヒト・イヌ・ハエそれぞれにとっての屋内の対象物の知覚
なじみの道
- イヌの知覚標識とは無関係である「盲人の知覚標識」を覚えさせるという盲導犬訓練のむずかしさ
- 迷路の実験において新たに作られた最短経路よりも「なじみの道」を優先する魚類とネズミ
家と故郷
- 「故郷」という主観的産物
- 故郷の概念を持つクモとモグラ
仲間
- 自身と同じような色・同じような大きさの物体を仲間とみなす本能
- 黒い海水パンツを仲間と認識したコクマルガラス
魔術的環世界
- ハエを見たことのないホシムクドリが見せた「虚空でのハエの摂食行動」
- 「ハエを捕える」という作用像が知覚像を導出した逆転現象
- 生物は自身の主観的現実が支配する世界に生きていることの証左
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