アジア諸国の社会変動・未来予想を「人口センサス(日本における国勢調査のようなもの)」から読み解こうというコンセプトの本。各国ごとの歴史・政策の積み上げが現在の人口ピラミッドに反映されており、人口センサスという統計値からだけでもかなり精緻な分析・未来予想ができることに驚かされるのです。


↑気になったらここからポチっと(買ってくれるとお小遣いが入ります)↑
↓気になったらここからポチっと(買ってくれるとお小遣いが入ります)↓
↑気になったらここからポチっと(買ってくれるとお小遣いが入ります)↑
この本を読むとわかること
東アジアの人口動態と人口センサス
- 人口統計には表れない「人口センサス」の特徴
- 人口転換論における多産多死→多産中死→中産少死→少産少死の4局面
- 「外生的」な死亡率低下と「人工的」な出生率低下という圧縮された人口転換
- 人口学の人口ピラミッド理論から逸脱し、多様な形状のアジア各国の人口ピラミッド
- 出生率の低下に歯止めがかからない東アジア各国
- 晩婚化・女性の社会進出などの原因分析には人口推計ではなく人口センサスの出番
- ヨーロッパの倍以上の速さで高齢化社会が到来すると予測される東アジア
- 「高齢者の人口爆発」という未来の社会問題の顕在化
中国:人口大国の発展の軌跡と新たな課題
- 年間0.5%増という微増のペースで安定した中国の人口増加率
- 中国の歴史のうねりが反映された年齢別人口構成
- 人口が流入し中国の成長・都市化を牽引したのは大都市ではなく、鎮(地方小都市)
- 高学歴化が進まず質の高い安価な労働力を追加供給できない現代中国の農村部
- 所得水準との関連性が高い合計特殊出生率
香港:少子高齢化に与える「越境者」の衝撃
- 大きく改善した合計特殊出生率
- 子どもの教育を香港で行うための中国本土からの越境出産増加が主要因
- 香港における人口動態と中国本土との関係性
- 香港の少子化は着実に進行
- 少子化の進行速度は本土からの移民受け入れ政策に大きく左右
- 急激な移民受け入れは香港市民の「反中感情」を刺激
- 物価の安い広東省などに越境する高齢者
- 外国籍家事ヘルパーとして突出するインドネシア系・フィリピン系
- 英語を話し高学歴なフィリピン系と、広東語を身に付けたインドネシア系の棲み分け
韓国:人口の高齢化と高まる長寿リスク
- 単身世帯が増加している要因
- 他国に比べて早い退職年齢と、そこに差し掛かる第一次ベビーブーム世代
- 高齢化社会→高齢社会→超高齢社会に短期間でシフトしつつある韓国
- 出生率低下・初婚年齢上昇を踏まえると高齢者の貧困化が社会問題になる可能性大
タイ:バンコク・メガリージョンの誕生
- 1970年代末の家族計画政策によって急激に低下し先進国並みとなった出生率
- 少子化の結果進んだ子どもの高学歴化・晩婚化・単身高齢世帯の増加
- バンコクを中心とするバンコク・メガリージョンの形成
- バンコク首都圏よりも首都圏周辺6県がタイ経済の成長を牽引
- タイに流入し単純労働に従事するカンボジア・ラオス・ミャンマー人移民労働者の増大
マレーシア:崩れゆく民族構成と増える外国籍人口
- 東南アジアの中の「人口小規模国家」
- 労働力需要の急速な高まりに対応できないリスク
- マレー系・中華系・インド系という伝統的民族構成のバランス変化
- 多種多様な民族による「るつぼ」のような多民族国家に変容しつつあるマレーシア
- インドネシア・バングラ・ミャンマー・ネパールなど多様な国からの移民労働者の増大
- 従来のマレー人・華人・インド人という「3主要民族からなる多民族国家」から、ボルネオ島のキリスト教徒ブミプトラ、多種多様な外国籍人口を含む「新しい多民族社会」にシフト
インドネシア:高齢化と人の移動のダイナミズム
- 初婚年齢は変わらないが合計特殊出生率が低下し、年少人口比率が低下
- 農村から都市への人口移動が進み都市人口比率が大きく増加
- ジャカルタだけでなくジャカルタ周辺の州に多く労働者が流入
- ジャカルタのみならず各地方都市へ周辺の農村から労働者が流入
- 年間数十万人が海外に出稼ぎ
フィリピン:遠い少子高齢化と越境する労働者
- 現在でもピラミッド型の人口構成を維持する少子高齢化の緩慢さ
- 越境する労働者の多さと実態把握の困難さ
- 技能工・船員・エンジニアなど職業の分散化が進む男性
- 家事労働者が多数の女性
- 中東へ行く労働者の増加
- GDPの1割以上を稼ぎ出す出稼ぎ労働者
- 「労働者の輸出」が支えるフィリピン経済
ベトナム:「若者の国」の現在と未来
- 都市化・近代化の中で見えてきた少子高齢化の兆し
- まだまだ伸びる生産年齢人口比率
- 釣鐘型を経ずに富士山型からツボ型へのシフトが予想される人口ピラミッド
- 他のアジア諸国より顕著に低い都市人口比率
- ハノイ・ホーチミンというメガ・リージョンへの二極集中
- 1990年代前半に訪れた急激な出生率低下の影響
- 人口ボーナスが終わるのは2010年代中盤
- ベトナム戦争後のベビーブーム世代が高齢者層に移行
- 求められる社会保障の整備
東ティモール、ブルネイ:公用語、母語、そして民族問題
- 人口が大きく伸び、出生率も高い東ティモール
- 農村部・識字率の低い女性で顕著に高い出生率
- 深刻な乳児死亡率の高さ
- 2つの「公用語」と2つの「使用言語」という課題
- 農村部で特に低い識字率
- 出生率が低下するも生産年齢人口比率が伸び続けるブルネイ
- 人口ボーナスを背景とした経済成長の潜在性
- 周辺諸国から家事ヘルパーとして押し寄せる外国人労働者
- パスポートの発行や経済的特権を享受できない中華系などの永住外国人
東アジアの社会変動と日本
- 東アジアにおける少子高齢化の進展・メガリージョンへの人口集積・世帯規模縮小・外国人労働者の増加という共通点
- 2008年をピークに人口減少が始まった日本
- 「団塊の世代」を生んだベビーブームの反動で始まった家族計画政策
- 平均寿命以上に重要な「健康寿命」
- 平均寿命と健康寿命の差を小さくすることで医療費削減
- 東京・名古屋・大阪3大メガリージョンへの人口集中
- 日本で増える「高齢者の単身世帯」と東アジアで増える「若者の単身世帯」
- 経済成長を抑制する「人口ボーナスの剥落」と「人口オーナスの増大」
- 人口ボーナスの剥落:労働投入量の減少・国内貯蓄率低下
- 人口オーナスの増大:高齢者を支える年金・医療費用の増加
↓気になったらここからポチっと(買ってくれるとお小遣いが入ります)↓