イェール大学で人気の「大戦略論」という講義の創始者による「歴史から学ぶ戦略思考」についての本。紀元前5世紀のペルシャ戦争から第二次世界大戦までの人類史における各時代のキーマンが持っていた価値観や判断軸を振り返り、今を生きる我々はそこから何を学ぶべきかが説かれています。賢者は歴史から学ぶのです。


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この本を読むとわかること
時系列でポイントをまとめるとこんな感じでした。ダーダネルス海峡の橋:大戦略とは
- 未来志向のペルシャ帝国王クセルクセスのマインドセット
- 自己批判的に物事を考え、自身の予測能力に懐疑的な凡人のほうが予測は正確
- 豪胆なクセルクセス王の挫折
- 方向感覚(Sense)と感性(Sensibility)の共存とバランス
アテネの長城:ペリクレスとトゥキュディデス
- クセルクセスを撃退したスパルタ陸軍とアテネ海軍の末路
- ペルシャの再来に対して協力するか、ギリシャの覇権を目指すか
- アテネとスパルタの疑心暗鬼
- 差し迫った脅威に対しては、些細な問題でさえも譲歩不可能なものになってしまう思考バイアス
- 戦略の論理と、戦略家の感情の混在
- 冷戦・文化大革命・キューバ危機という異常事態に直面したアメリカの異常なまでのベトナムへの執着
師と原則:孫子とオクタウィアヌス
- 孫子が説く思考と行動のバランス
- 複雑なものの中から単純さを見つける
- 「正法」より重要度の高い「奇法」
- カエサル暗殺後の後継者オクタウィアヌスの同盟戦略
- 全権を掌握したオクタウィアヌスがとった権限を磐石なものにするための奇策
魂と国家:アウグスティヌスとマキアヴェリ
- マキアヴェリが説く暴力の効率的な使用法
- より大きな悪を回避するための小さい悪(戦争)を容認したアウグスティヌス
- 国益という概念の誕生
回転軸としての君主:エリザベス一世とフェリペ二世
- 君主論を読み、全く異なる当地方を採用したエリザベス一世とフェリペ二世
- 神に従うが臣民には従わないフェリペ二世
- 神を臣民の利益に調和させ臣民に尽くしたエリザベス一世
- 権限委譲を行ったエリザベス一世と、神の代理人としてマイクロマネジメントに徹したフェリペ二世
新世界:アメリカ建国の父たち
- アメリカにおいて、自国の文化・建造物の輸出に執着したスペインと現地に順応させたイングランド
- エリザベスの権限委譲の思想を体現したイングランド
- アメリカ独立宣言の元となったのは、コモンセンス・国富論・ローマ帝国衰亡史
- コモンセンスが投げかけた「王による支配」に対する疑問
- 君主論以来の政治的大戦略の著作である「ザ・フェデラリスト」
最も偉大な戦略家たち:トルストイとクラウゼヴィッツ
- 「攻撃の極限点」であったナポレオンのモスクワ占領
- 有能な前線の指揮官であったクセルクセスとナポレオンの視野が狭かった理由
- 有能なのになぜ情報が不足する中で決断できなかったのか
- クラウゼヴィッツとトルストイが推奨する理論と実践のバランスと、過去からの学び
最も偉大な大統領:リンカーン
- リンカーンの傑出した能力
- 南北戦争で使われた、複数の拠点で数的優位を作り出すという戦術
- 「占領・要塞築城・要所防衛」という当時の正規軍の戦法に反する戦術
- 志願する奴隷が増えたことで兵員が増え続けた北軍と、奴隷の反乱を恐れて奴隷に武器を持たせることは無かった南軍
最後の最善の希望:ウィルソンとルーズベルト
- Uボートによる民間船への無差別攻撃でも冷静さを保っとウィルソン
- 戦争に踏み切るための大義名分の重要さ
- 参戦をぎりぎりまで我慢することで最小限の損害で勝利
- クラウゼビッツ以前に戻ったような、大きな代償に対する目的を持たない第一次世界大戦
- 周りを無視して目的に突進するウィルソンと、感度の高いアンテナを持ったルーズベルト
- 戦後平時になると輝きを失ったウィルソンと、輝きを保ち続けたルーズベルトの違い
- 大戦略の整合性において論理ではなく、スケールが重要であることを見抜いていたルーズベルト
- 思考と判断のバランスと、常識を保つことの重要性
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