イェール大学の日本人経済学者が、名著『イノベーションのジレンマ』を経済学的に検証した本。柔らかい文体で書かれているのでサラっと読める上にかなり面白いのです。


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『イノベーションのジレンマ』では、ハードディスク産業を題材に、「破壊的なイノベーションに負けてしまった企業は、鈍感だった訳でも判断を失敗した訳でもなく、正しい経営判断をしたからこそ敗者になった」ということが解説されていました。


これはこれでとても面白い本だし、Amazonの評価も4.6と大変高いのですが、筆者は「経済学的な理論武装が甘い」として経済学の理論を使ってイノベーションのジレンマを解明することを目指して多角的に検証しています。10年かけて検証した力作なのだそうです。
具体的には、「一時代を築いた勝ち組は、どうして新世代の技術・競争に出遅れがちなのか、どうしたら良いのか、政府に果たせる役割はあるのか」を3つの経済学の理論を使って解明していきます。
これら3つの理論はお互いにトレードオフの関係にあり、現実世界がどのようなバランスであったかによってその強さが変わってきます。丹念にデータを検証することでそのパワーバランス(イノベーションのジレンマ)を解明するのです。
前半が3つの理論の説明で、後半が理論を活用したイノベーションのジレンマの経済学的な解明という構成です。柔らかい文体で書かれているのでサラっと読めます。
イノベーションのジレンマ関連のおススメ


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『イノベーションのジレンマ』では、ハードディスク産業を題材に、「破壊的なイノベーションに負けてしまった企業は、鈍感だった訳でも判断を失敗した訳でもなく、正しい経営判断をしたからこそ敗者になった」ということが解説されていました。
これはこれでとても面白い本だし、Amazonの評価も4.6と大変高いのですが、筆者は「経済学的な理論武装が甘い」として経済学の理論を使ってイノベーションのジレンマを解明することを目指して多角的に検証しています。10年かけて検証した力作なのだそうです。
具体的には、「一時代を築いた勝ち組は、どうして新世代の技術・競争に出遅れがちなのか、どうしたら良いのか、政府に果たせる役割はあるのか」を3つの経済学の理論を使って解明していきます。
理論① 置換効果
簡単に言うと、「既存の成功企業は新製品を投入しても旧製品と共食いしてしまう」ということです。ヒット商品を持っている企業は、その商品と競合するような新商品の開発には二の足を踏みがちなのです。この置換効果は新商品と既存商品との同質性・類似性が高いほど大きくなります。
理論② 抜け駆けのゲーム理論
早くイノベーションを起こした企業ほど先行者利得の恩恵を受けられるので、「新規企業はイノベーションを急ぎ、既存企業は彼らを買収することで現在の優位性を保とうとする」ということです。FacebookがInstagramを買収したように、先行者・大企業のM&Aにはこの手のケースが多いように思います。理論③ 企業間の能力格差
「研究開発能力や、やる気の差」のことです。イノベーションを具現化する能力のことですが、やる気の差(実行力)も含むため必ずしも大企業有利とは限らないのです。相矛盾する仮説
それぞれの理論は経済学的に裏打ちされたものですが、現実に適用しようとすると矛盾が生じます。例えば、既存企業は共食い現象のせいで置換効果に後ろ髪を引っ張られているが、未来のライバルに対する先制攻撃として抜け駆けイノベーションに打って出るインセンティブもある、などです。これら3つの理論はお互いにトレードオフの関係にあり、現実世界がどのようなバランスであったかによってその強さが変わってきます。丹念にデータを検証することでそのパワーバランス(イノベーションのジレンマ)を解明するのです。
前半が3つの理論の説明で、後半が理論を活用したイノベーションのジレンマの経済学的な解明という構成です。柔らかい文体で書かれているのでサラっと読めます。
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