三菱総研と慶応の研究者によるサイバー空間(インターネット)の覇権・国際秩序の展望。サイバー空間には国境がなくフラット化する世界の象徴であり、「国家・組織・個人」の3つの視点で眺めることが大切なのです。

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国家・組織・個人の3つの観点で現状分析・将来予測を行うフレームワークを使っているのですが、これが分かりやすくてよいです。貿易や安全保障などのこれまでの秩序は国家によって形作られてきました。しかしながら、国境のないネットの世界ではGAFA(Google, Apple, Facebook, and Amazon)のようなグローバルなプラットフォーマーがエコシステムを形成したり、SNSやブログ・You tube・Wikileaksを使った個人がインフルエンサーとして台頭してきています。そのため、「国家・組織・個人」×「国家・組織・個人」のマトリクスで考えることが重要なのです。
また、中国が目指すサイバー空間の秩序についても紙面を割いて触れており、他国のITサービスを遮断するグレートファイアウォールの深遠なる目的や、昨今の貿易摩擦の背景が見えてくるのです。
※分厚くて読み応えがあります。
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ざっくり言うと
「サイバー空間とは何か」「データが支配する経済活動」「サイバー空間を巡る主導権争い」の3章で現状把握を行ったうえで、「国家・組織・個人のフロンティア戦略」「サイバー空間から見た国際秩序」「サイバー空間の支配者」「新たな国際秩序」の4章で将来への展望が描かれています。国家・組織・個人の3つの観点で現状分析・将来予測を行うフレームワークを使っているのですが、これが分かりやすくてよいです。貿易や安全保障などのこれまでの秩序は国家によって形作られてきました。しかしながら、国境のないネットの世界ではGAFA(Google, Apple, Facebook, and Amazon)のようなグローバルなプラットフォーマーがエコシステムを形成したり、SNSやブログ・You tube・Wikileaksを使った個人がインフルエンサーとして台頭してきています。そのため、「国家・組織・個人」×「国家・組織・個人」のマトリクスで考えることが重要なのです。
また、中国が目指すサイバー空間の秩序についても紙面を割いて触れており、他国のITサービスを遮断するグレートファイアウォールの深遠なる目的や、昨今の貿易摩擦の背景が見えてくるのです。
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この本を読むとわかること
- インターネットを管理し、IPアドレスのようなルールを決めているのは誰?
- 各国を結ぶインターネットの海底ケーブルはどのように敷設されている?
- 工場の産業用機器の組み込みコンピュータ・金融機関の基幹系システムなどはインターネットに接続しない独自の閉鎖系ネットワークで形成されており、ウイルスやハッカーからの攻撃に対して安全だと言われてきたが、この安全神話はイラン核関連施設の閉鎖系ネットワークをダウンさせたStuxnetによって否定された。Stuxnetの攻撃方法とは?
- Google・Facebookなどのネット系企業のビジネスモデルの核となっているネットワーク効果とは?
- GAFA(Google, Apple, Facebook, and Amazon)が採用しているダブルアイリッシュ・ダッチサンドイッチと呼ばれる節税方法とは?
- BAT(Baidu, Alibaba, and Tencent)はVIE (Variable Interest Entity: 変動持分事業体)スキームを採用して米国か香港で上場しているが、その目的・利点は?
- Eコマース・決済に次ぐアリババの収益の柱候補は?
- サイバー空間の規制に対する各国のスタンスは?
- マイクロソフトが自社のサイバークライムセンターで行っているサイバー犯罪撲滅対策とは?
- 中国からのサイバー攻撃に対する米国のシナリオとは?(知るとニュースの裏側が読めるかも)
- 深層ウェブ(Deep web)はなぜ一般的なブラウザではアクセスできないのか?
- サイバー空間で起きている具体的な国家と組織、国家と個人の対立とは?
- 中国が目指すサイバー空間における秩序とは?
- 他国のITサービスを遮断するグレートファイアウォールの深遠なる目的は?
- Baiduはなぜ検索サービス・地図アプリで覇権を取れたのか?
- 一躍グローバル企業になったHuawei・ZTEの創業者の経歴・急成長の理由は?
- 一帯一路との関係性は?
- 中国のデジタルレーニン主義(Digital Leninism)とは?
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