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『国のために死ねるか 自衛隊「特殊部隊」創設者の思想と行動 (文春新書)』伊藤 祐靖 ☆3

海上自衛隊の特殊部隊である特別警備隊の創設にかかわった元自衛官の自伝的な本。


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能登半島沖不審船事件から特殊部隊設立まで

著者は元海上自衛官で、1999年3月22日に発生した能登半島沖不審船事件においてイージス艦みょうこうの航海長として不審船を追跡した方です。能登半島不審船事件とは漁船に偽装した北朝鮮の工作船を海上自衛隊の船が発見・追跡した事件です。当時ニュースで見た記憶があります。

警察官は”警察官職務執行法”に基づいて不審者の検査を行うことができますが、自衛隊は同法の適用対象外であり、”海上警備行動”という命令が発せられない限り武力行動や検査ができないそうです。能登半島不審船事件で初めての海上警備行動が発せられ、自衛艦による威嚇射撃や不審船への突入準備が行われました。ただ、当時の海上自衛隊では不審船への立ち入り検査などは想定されておらず、艦内に防弾ジャケットなどはなかったそうです。即席の突入部隊が組織されたのですが、装備が貧弱であり週刊誌などを防弾チョッキ代わりに腹に巻いたなど、生々しいエピソードも書かれています。結果として不審船はスピードを上げて逃げ切ってしまいました。

この不審船事件における一連の対処において当時の海上自衛隊のケーパビリティの限界が明らかになり、海上自衛隊内に不審船への突入を可能とする特殊部隊を作る構想が生まれました。この特殊部隊は特別警備隊(SBU: Special Boarding Unit)と呼ばれています。特殊部隊の初期立ち上げメンバーとして、不審船事件で迅速に突入部隊を編成した著者に声がかかったそうです。ただ、当時の海上自衛隊には特殊部隊に関連するノウハウが全くなかったため、ゼロから手探りで検討していった経緯が描かれています。また、少数精鋭で個としての能力が求められる特殊部隊は個々人が戦闘単位となる陸軍に近い性格を持つため、船という集団で活動する海軍と意思疎通や意思決定のメカニズムが異なるなど興味深い内容も書かれています。

特殊部隊設立のその後

著者は特殊部隊が正式に設立される直前に異動の辞令を受け、それを拒否して自衛隊を退官してしまいました。磨いた特殊部隊員としての技量をさらに磨くため、各国の軍隊や警察にノウハウを伝えるために海外に拠点を移して活動されているそうです。本書の後ろ半分はフィリピンにおけるより実戦的な訓練などが描かれています。

能登半島沖不審船事件の2年後の2001年12月22日に九州南西海域工作船事件が発生しました。これは東シナ海の公海上で北朝鮮の工作船を発見した事件で、特別警備隊にも出動待機命令が出ました。ただ、追跡していた海上保安庁の巡視船と銃撃戦となり、最終的に工作船は自爆・沈没してしまったので特別警備隊の初出動とはなりませんでした。この事件もニュースとして繰り返し報道されました。巡視船から暗闇に向かって光を曳きながら撃ち込まれる銃弾の映像が強く記憶に残っています。沈没した工作船は引き揚げられ、一時期お台場の船の科学館で展示されていました。現在は横浜海上防災基地内の海上保安資料館横浜館に展示されているそうです。

特殊部隊なので活動の詳細は公開されていないようですが、ソマリア沖の海賊対策などに投入され現在も活躍しているそうです。

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