バッタアレルギー(!)を持つ日本指折りのバッタ研究者がバッタが大量発生するアフリカ(モーリタニア)へ単身突撃し奮闘する様に加えて、研究者を志すポスドクの厳しい実態も描かれています。文章がうまいのでスラスラ読めるのです。

↑気になったらここからポチっと↑
表紙とタイトルのインパクトにより図書館でジャケ借り。アフリカで猛威を振るうバッタの大量発生をどうにかするべく研究室ではなくフィールドワークで解決策を考えるというたいへんまじめなテーマなのです。
著者が赴任したモーリタニアには世界銀行の支援で設立された”国立サバクトビバッタ研究所”という機関があり、遊牧民や村人に専用の携帯電話を配って国全体でバッタ監視ネットワークを構築し、日本の3倍の面積のモーリタニア全土を100人足らずの職員で監視しているそうです。そして、バッタの大量発生の予兆を検知すると専門の駆除部隊が出動し、包囲殲滅するそうです。そのくらいバッタの大量発生は脅威であると認識されているのです。
ほかにも、モーリタニアではチンタオビールと本格中華が楽しめるなど、中国資本のアフリカ進出を感じさせる記載や、砂漠で野宿をする時のポイント、全長3キロ(最大230両)にも及ぶ鉄鉱石運搬鉄道など、ためになる(?)ことも書かれています。そういえば、日本で売られているタコはモーリタニア産が多いですね。
↓気になったらここからポチっと↓
↑気になったらここからポチっと↑
表紙とタイトルのインパクトにより図書館でジャケ借り。アフリカで猛威を振るうバッタの大量発生をどうにかするべく研究室ではなくフィールドワークで解決策を考えるというたいへんまじめなテーマなのです。
バッタによる経済的損失は莫大
バッタによる経済的損失は西アフリカだけで年間400億円にも上るらしく、アフリカ貧困の要因の一つと言われています。ひとたび大量発生するとその数は数百億匹に上り、東京都くらいの面積がバッタに覆われるのだそうです。そして、1日100キロも移動し、全ての植物を食べつくしてしまいます。僕が小学生の頃に愛読していた「まんが日本の歴史」でも大量発生したイナゴによって何度も全国的な飢饉が発生したことが描かれていましたが、スケールが違いますね。。ちなみに、バッタ(Locust)とイナゴ(Grasshopper)は厳密には異なるそうで、大量発生しうるものをバッタ・そうでないものをイナゴと呼ぶそうです。これは相変異とよばれており、バッタの様々な習性とともに本書で詳しく紹介されています。著者が赴任したモーリタニアには世界銀行の支援で設立された”国立サバクトビバッタ研究所”という機関があり、遊牧民や村人に専用の携帯電話を配って国全体でバッタ監視ネットワークを構築し、日本の3倍の面積のモーリタニア全土を100人足らずの職員で監視しているそうです。そして、バッタの大量発生の予兆を検知すると専門の駆除部隊が出動し、包囲殲滅するそうです。そのくらいバッタの大量発生は脅威であると認識されているのです。
ポスドクのつらい現実
著者は幼い頃から昆虫が好きで、ファーブル昆虫記を愛読し、昆虫学者を志しました。ただ、虫好きで食べていけるほど現実は甘くなく、2年限定の研究職の身分で単身モーリタニアに乗り込みました。限られた期間で論文などの成果を出さないといけない切迫感や、身分の不安定さ、常勤研究職のポストの少なさと倍率の高さなど、報道などでも取り上げられているポスドクのつらい現実も描かれています。研究室での研究ではなく、ほぼ手のつけられていないフィールドワークに着目したことで、結果として著者は無事ポストをゲットできたようです。よかったよかった。ほかにも、モーリタニアではチンタオビールと本格中華が楽しめるなど、中国資本のアフリカ進出を感じさせる記載や、砂漠で野宿をする時のポイント、全長3キロ(最大230両)にも及ぶ鉄鉱石運搬鉄道など、ためになる(?)ことも書かれています。そういえば、日本で売られているタコはモーリタニア産が多いですね。
↓気になったらここからポチっと↓