シェアリングエコノミーを代表するUberとAirbnbの成長の軌跡を描いた本。Uber・Airbnbと、Liftや滴滴打車など彼らのライバル企業の創業者たちのインタビューを基にしている点がユニーク。ちなみに、Upstartとは、”最近成功した人物・事業、前例踏襲しない人”を意味するんだそうです。

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需要と供給を個人のレベルでマッチングすることで、自社で車や建物のような物理的な資産を持たずに、世界最大のタクシー会社・ホテル企業になったのです。本書の中でも両社の特徴を”古くからある産業にひねりを加えて接点のなかった人同士をつなげるオープンな世界を作った”と紹介しています。
Uberは創業者のカラニックにとっては手がけている数あるビジネスの1つに過ぎず、設立当初は優先順位も低かったしそこまで成長するとは思っていなかったのだそうです。創業者ですらここまでメガヒットになるとは思っていなかったのです。
例えば、ライドシェアリングにおいては、タクシー呼出アプリで先行したライバルがいました。ただ、この会社はタクシー業界と対立することを避け、タクシー業界の既存のシステムと連携する道を選びました。結果として、この会社が提供するサービスの位置情報の精度は低く、使える情報が少ないプアーなシステムとなり淘汰されていきました。
対照的に、Uberはタクシーの呼び方を変革するのではなく、一般の人が旅客事業に参入できるようにした点が成功のポイントでした。つまり、既存のタクシー業界の領域を超えて有料旅客輸送そのものを変革しようとしていたということです。また、すでに車を持っている個人だけでなく、車を買えない個人に対して、リースする仕組みも構築しています。
ヨーロッパなど海外にもライドシェアリングを浸透させたUberはアリババの投資を受けて急成長した滴滴打車のいる中国に殴り込みをかけます。中国は市場が特殊なのか、Uberは苦戦し、最終的に中国での事業を滴滴に譲渡し撤退しました。
Uberは規制に対して行政とのパイプを作ってうまく立ち回るのではなく、真っ向勝負を挑む攻撃的なスタイルで知られています。殴り合いを挑むので、戦い方としては上手ではありませんが、規制当局や政治家が見ているのが市民なのか、タクシー業界などの資金源なのかを図るリトマス試験紙の役割を果たしているとも言えるのだそうです。
規制当局に対して、Uberは自社のユーザーを使ってTwitterなどで抗議するよう呼びかける戦術をとりました。議員・行政に対して、Uberを規制することが民意に反する行動であることをPRするのが目的です。創業者のカラニック曰く、”技術・人々の進歩を政府がどこまで感じ取って受け取れるかが問題の核心”であり、”規制のレーダーに引っかからないくらい小さいか、制度として認めざるを得ないくらい大きくならなければならない”のだそうです。Too big to failを目指すべきということなのでしょう。イエローキャブが旅客ビジネスを独占するNYでの規制との戦いでは、”マイノリティがUberの運転手になることでハッピーになった”というストーリーのCMが大反響を呼び、争いに終止符を打つことになったそうです。
日本のタクシー業界はUberと非常によく似たインタフェースを持つ”全国タクシー”というアプリを展開しています。これはスマホの位置情報を基に指定した場所にタクシーを呼べるというサービスです。前述の通り、アメリカではタクシー業界寄りのサービスはUberの前に敗れ去りましたが、全国タクシーは健闘しているように見えます。僕も妻が妊娠していた時などに何度か利用したことがあります。呼んで来てもらうので、迎車料金を取られます
我が家は車を持っていないので、遠出する時はレンタカーを借りますが、短時間車を借りる必要がある場合はカーシェアを使っています。15分で\200くらいと値段が手ごろなのと、アプリで予約してIDカードを車にかざして乗り込むという使い勝手が良い点が気に入っています。個人的には、UI(ユーザーインタフェース≒使いやすさ)を高めることでUX(ユーザーエクスペリエンス≒顧客価値)が高まる好事例だと思っています。
駐車場会社のタイムズが手掛けているだけあってカバレッジが広く、出先でも借りることのできる利便性の高さもポイント高いです。
ということで日本ではUber使ったことなかったのですが、先月ボストンに行った際に初めて使いました。車はすぐつかまるし(繁華街だとタクシーのように路駐して客待ちしている)運転手は親切だし良いことずくめでした。きっと、値段が乗車前に確定すること、ドライバーと乗客の間で現金の授受がないこと、乗車後ドライバーを評価するシステムになっていることが大きなポイントなのだろうと思いました。
乗車場所と行先を指定した時点でおおよその値段が確定します。そのため、運転手にとっては回り道をするのはロスなので、最短経路で走ってくれます。
また、現金の授受がないのでもめる心配がないのとお釣りなどの心配をする必要がありません(チップは乗車後払うかどうか選択できます)。
さらに、利用後に運転手の評価を行い、評価の悪い運転手は淘汰されていくそうなので、運転手側もいろいろと気を遣ってくれているように見えました(荒っぽい運転はしないのは当然として、車内の温度とか)。
Uberは使っていなかったものの、Uber Eatsはよく使っています。簡単に言うと個人のドライバー(主にバイク)が飲食店の出前をしてくれるサービスです。我が家は共働きなので、お互い繁忙期になった際などに使っています。配送料が1回\380と安いのもポイントですが、何より食事の選択肢が広がる点がリピートしている最大の理由です。
これまでは忙しくて帰り道に何か買って帰ろうした場合、最寄駅の飲食店かつテイクアウトしてくれるお店(牛丼チェーンなど)かスーパーのお惣菜くらいしか選択肢がありませんでしたが、Uber Eatsだと我が家の周辺で100近くの店がヒットします。だいたい30~45分くらいで届くので使わない手はないのです。そういう意味では、単なる出前サービスではなく、中食市場におけるイノベーションとも言えそうです。中食市場は8.7兆円と大きく、高齢化・共働き世帯の増加を見据えると大きく成長するような気がします。飲食店にとっても潜在顧客が大きく増えるのでいいことずくめなのでしょう。
都内ではドコモが自転車のシェアリングビジネスを拡充しているように、これからもシェアリングエコノミー(≒所有から共有へ)は大きく進むのだろうなぁと思うのです。早くうちのそばにもチャリンコシェアの乗り場できないかしら。
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UberとAirbnb
両社とも言わずと知れた、ITを活用したシェアリングエコノミーの雄ですよね。Uberはライドシェアリング・Airbnbは民泊サービスを提供しています。需要と供給を個人のレベルでマッチングすることで、自社で車や建物のような物理的な資産を持たずに、世界最大のタクシー会社・ホテル企業になったのです。本書の中でも両社の特徴を”古くからある産業にひねりを加えて接点のなかった人同士をつなげるオープンな世界を作った”と紹介しています。
Uberは創業者のカラニックにとっては手がけている数あるビジネスの1つに過ぎず、設立当初は優先順位も低かったしそこまで成長するとは思っていなかったのだそうです。創業者ですらここまでメガヒットになるとは思っていなかったのです。
競合との競争
Uber・Airbnbともにライドシェア・民泊のパイオニアではなく、すでに先行者がいました。また、両社の動きを見て似たようなサービスを提供する競合も数多くいました。そのため、両社は”まっさらなブルーオーシャンを独り占めした”というより、”あまり濁っていないブルーオーシャンでの生存競争の結果、食物連鎖の頂点に着いた”という言い方の方が正しそうです。例えば、ライドシェアリングにおいては、タクシー呼出アプリで先行したライバルがいました。ただ、この会社はタクシー業界と対立することを避け、タクシー業界の既存のシステムと連携する道を選びました。結果として、この会社が提供するサービスの位置情報の精度は低く、使える情報が少ないプアーなシステムとなり淘汰されていきました。
対照的に、Uberはタクシーの呼び方を変革するのではなく、一般の人が旅客事業に参入できるようにした点が成功のポイントでした。つまり、既存のタクシー業界の領域を超えて有料旅客輸送そのものを変革しようとしていたということです。また、すでに車を持っている個人だけでなく、車を買えない個人に対して、リースする仕組みも構築しています。
ヨーロッパなど海外にもライドシェアリングを浸透させたUberはアリババの投資を受けて急成長した滴滴打車のいる中国に殴り込みをかけます。中国は市場が特殊なのか、Uberは苦戦し、最終的に中国での事業を滴滴に譲渡し撤退しました。
規制との戦い
Uber・Airbnbともに既存のタクシービジネス・ホテルビジネスの破壊者であるため、各業界から猛反発を受けます。個人が乗客を乗せて対価を受け取ること・他人を宿泊させて対価を受け取ることに対して規制当局からも厳しい圧力がかかります。Uberは規制に対して行政とのパイプを作ってうまく立ち回るのではなく、真っ向勝負を挑む攻撃的なスタイルで知られています。殴り合いを挑むので、戦い方としては上手ではありませんが、規制当局や政治家が見ているのが市民なのか、タクシー業界などの資金源なのかを図るリトマス試験紙の役割を果たしているとも言えるのだそうです。
個人的シェアリングサービス活用
Uberは日本にも参入していますが、まだそこまで大きな勢力にはなっていないと思います。日本のタクシー業界はUberと非常によく似たインタフェースを持つ”全国タクシー”というアプリを展開しています。これはスマホの位置情報を基に指定した場所にタクシーを呼べるというサービスです。前述の通り、アメリカではタクシー業界寄りのサービスはUberの前に敗れ去りましたが、全国タクシーは健闘しているように見えます。僕も妻が妊娠していた時などに何度か利用したことがあります。呼んで来てもらうので、迎車料金を取られます
我が家は車を持っていないので、遠出する時はレンタカーを借りますが、短時間車を借りる必要がある場合はカーシェアを使っています。15分で\200くらいと値段が手ごろなのと、アプリで予約してIDカードを車にかざして乗り込むという使い勝手が良い点が気に入っています。個人的には、UI(ユーザーインタフェース≒使いやすさ)を高めることでUX(ユーザーエクスペリエンス≒顧客価値)が高まる好事例だと思っています。
駐車場会社のタイムズが手掛けているだけあってカバレッジが広く、出先でも借りることのできる利便性の高さもポイント高いです。
ということで日本ではUber使ったことなかったのですが、先月ボストンに行った際に初めて使いました。車はすぐつかまるし(繁華街だとタクシーのように路駐して客待ちしている)運転手は親切だし良いことずくめでした。きっと、値段が乗車前に確定すること、ドライバーと乗客の間で現金の授受がないこと、乗車後ドライバーを評価するシステムになっていることが大きなポイントなのだろうと思いました。
乗車場所と行先を指定した時点でおおよその値段が確定します。そのため、運転手にとっては回り道をするのはロスなので、最短経路で走ってくれます。
また、現金の授受がないのでもめる心配がないのとお釣りなどの心配をする必要がありません(チップは乗車後払うかどうか選択できます)。
さらに、利用後に運転手の評価を行い、評価の悪い運転手は淘汰されていくそうなので、運転手側もいろいろと気を遣ってくれているように見えました(荒っぽい運転はしないのは当然として、車内の温度とか)。
Uberは使っていなかったものの、Uber Eatsはよく使っています。簡単に言うと個人のドライバー(主にバイク)が飲食店の出前をしてくれるサービスです。我が家は共働きなので、お互い繁忙期になった際などに使っています。配送料が1回\380と安いのもポイントですが、何より食事の選択肢が広がる点がリピートしている最大の理由です。
これまでは忙しくて帰り道に何か買って帰ろうした場合、最寄駅の飲食店かつテイクアウトしてくれるお店(牛丼チェーンなど)かスーパーのお惣菜くらいしか選択肢がありませんでしたが、Uber Eatsだと我が家の周辺で100近くの店がヒットします。だいたい30~45分くらいで届くので使わない手はないのです。そういう意味では、単なる出前サービスではなく、中食市場におけるイノベーションとも言えそうです。中食市場は8.7兆円と大きく、高齢化・共働き世帯の増加を見据えると大きく成長するような気がします。飲食店にとっても潜在顧客が大きく増えるのでいいことずくめなのでしょう。
都内ではドコモが自転車のシェアリングビジネスを拡充しているように、これからもシェアリングエコノミー(≒所有から共有へ)は大きく進むのだろうなぁと思うのです。早くうちのそばにもチャリンコシェアの乗り場できないかしら。
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