人類(ホモ・サピエンス)の繁栄は、神話・宗教・国家などの”虚構”を共有できたことであるというユニークな観点で人類史を描いた本。下巻は宗教の成立や、直近500年で急激に進展した科学革命を中心に、現在の人類は過去と比較して幸福になったのかを論じる。歴史書の範疇を超え、文化人類学・倫理学・哲学など多角的な観点で楽しめるのです。
宗教のような近代以前の知識体系は”この世のことはすでに解き明かされている”という考えを前提にしたのに対し、科学は”この世のことはまだほとんど解き明かされていない”という人類の無知を前提にした点が根本的に異なるということが論旨の主要な柱の一つです。
例えば、キリスト教の終末論や仏教の末法思想は、乱れた人の世を最終的に神や仏が救いに来るという考え方であり、過去の”あるべき姿”から人間は次第に退廃していくという考えに基づいています。そのため、近代以前の人類には”進歩”という概念はなく、バベルの塔やイカロスのように神に近づこうとする(≒進歩しようとする)と罰せられると考えられてきました。日本でも明治以前は同じような思想だったと言えます。例えば、江戸中期~後期に行われた享保・寛政・天保の改革は”改革”と名がつくものの、家康~家光の時代を”あるべき姿”とした復古的な政治でした。
500年くらい前の前近代と比較すると、科学革命により蒸気機関・内燃機関・核エネルギー・コンピューターなど科学技術は大きく進歩し、人間は月に行くまでになったのです。人工も2億人から35倍の70億人に急増しました。技術の進歩は指数関数的で、今のスマホの性能は昔のスーパーコンピューター相当と言われています。初代iPhoneの発売が今から約10年前で、スマホの登場により僕たちの生活様式が一変したように、10年後の僕たちは今では想像できないような技術・製品を日常的に使いこなしているんでしょうね。例えば、ターミネーターの視界のような拡張現実を見せてくれるパーソナルデバイスとか。
また、人類がこれまで認知革命・農業革命・科学革命で段階的な進歩を遂げてきたように、今後も何らかの革命によってより進歩していく可能性も示唆されています。例えば、ゲノム編集や、脳とコンピューターの融合など。確かに、人間の脳は全体のスペックの一部しか使っていないとか聞いたことあるけど、仮に脳を全開で使えるようになると、ニュータイプのような第六感に目覚めるんだろうか、もしくはエネルギー消費に耐えきれなくなって常時空腹に悩まされるんだろうか(エネルギーの25%を脳が使っているらしい)?もしかすると、数十年後の人類は今の我々とは全然違うホモ・サピエンス2.0になっているのかもね。

宗教のような近代以前の知識体系は”この世のことはすでに解き明かされている”という考えを前提にしたのに対し、科学は”この世のことはまだほとんど解き明かされていない”という人類の無知を前提にした点が根本的に異なるということが論旨の主要な柱の一つです。
例えば、キリスト教の終末論や仏教の末法思想は、乱れた人の世を最終的に神や仏が救いに来るという考え方であり、過去の”あるべき姿”から人間は次第に退廃していくという考えに基づいています。そのため、近代以前の人類には”進歩”という概念はなく、バベルの塔やイカロスのように神に近づこうとする(≒進歩しようとする)と罰せられると考えられてきました。日本でも明治以前は同じような思想だったと言えます。例えば、江戸中期~後期に行われた享保・寛政・天保の改革は”改革”と名がつくものの、家康~家光の時代を”あるべき姿”とした復古的な政治でした。
500年くらい前の前近代と比較すると、科学革命により蒸気機関・内燃機関・核エネルギー・コンピューターなど科学技術は大きく進歩し、人間は月に行くまでになったのです。人工も2億人から35倍の70億人に急増しました。技術の進歩は指数関数的で、今のスマホの性能は昔のスーパーコンピューター相当と言われています。初代iPhoneの発売が今から約10年前で、スマホの登場により僕たちの生活様式が一変したように、10年後の僕たちは今では想像できないような技術・製品を日常的に使いこなしているんでしょうね。例えば、ターミネーターの視界のような拡張現実を見せてくれるパーソナルデバイスとか。
また、人類がこれまで認知革命・農業革命・科学革命で段階的な進歩を遂げてきたように、今後も何らかの革命によってより進歩していく可能性も示唆されています。例えば、ゲノム編集や、脳とコンピューターの融合など。確かに、人間の脳は全体のスペックの一部しか使っていないとか聞いたことあるけど、仮に脳を全開で使えるようになると、ニュータイプのような第六感に目覚めるんだろうか、もしくはエネルギー消費に耐えきれなくなって常時空腹に悩まされるんだろうか(エネルギーの25%を脳が使っているらしい)?もしかすると、数十年後の人類は今の我々とは全然違うホモ・サピエンス2.0になっているのかもね。